歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

インドネシア・ジャワ島ひとり旅(2017年) <8> まだ3日目 ジョグジャカルタに向かう急行列車「TAKSAKA PAGI」の中では。

<3日目ー2> 
2017年 2月23日 木曜日  ジャカルタは曇り 暑い。

 

<なぜ旅の目的地がジャワ島?>
インドネシアの首都ジャカルタのガンビル駅から、生まれて初めてポーターを使って(笑)長距離特急列車「TAKSAKA PAGI」に乗り込んだ。


今回は、インドネシアのジャワ島を旅行しようとしている。
長いブランクを経てのひとり旅なので、僅か2週間だ。何処を歩けるだろうかと考えたが、いままで行けそうで行かなかったインドネシアのジャワ島を旅することにした。でも、なんでジャワ島?

インドネシアは大きな国だ。赤道を跨いで東西に5,110km、13,466個と世界最多の島嶼が連なっている。東西に長いため、地域によって時差が違う。
東の端のパプアやマルク諸島は、日本とは時差が無い。日本が正午の12時なら、此処も12時だ。
中部のバリ島やスラウェジ島、カリマンタン島は時差が1時間。日本が正午の12時なら此処は11時。
西部になるジャワ島やスマトラ島は時差2時間で、日本が正午の12時なら此処はまだ10時と言う具合だ。

人口は2億7000万人。世界第4位だ。私の子供の頃は、日本が中国、インド、アメリカ、ソ連に次いで世界5位だったが。
以前、スキューバダイビングをしにバリ島に行ったことがある。しかしジャワ島はじめその他の島には行ったことが無かった。

ジャワ島はインドネシアの中でも西隣のスマトラ島と共に、16世紀の大航海時代以来西欧列強(特にオランダ)に早くから開発された島だった。特にジャワ島はオランダ東インド会社(VOC)やオランダ植民地政府が置かれた場所で、今でも首都ジャカルタや古都ジョグジャカルタやソロ、インドネシア第2の都市スラバヤなど歴史のある街が数多くある。
私が今回ジャワ島を旅行したいと思ったのは、此処には鉄道があり、是非その鉄道に乗ってみたかったのだ。
沢山の島のあるインドネシアでも、鉄道はジャワ島とスマトラ島にしかなく、島全体を覆って鉄道網が敷かれているのはジャワ島だけなのだ。

人口も多く、日本の本州より小さいジャワ島には、国全体の約60%の人(おおよそ1億6000万人)が住んでいる超人口過密な島だ。
また環太平洋火山帯の一部で、ジャワ島最高峰のスメル山(3,676m)はじめ、活火山が多く、地震も多い。この辺は日本と似ている。
気候は熱帯性気候で、概ね5~10月が乾季、11月から4月が雨季になる。
今は、丁度雨季の真っ最中だ。


<ジャカルタから鉄道でジョグジャカルタに移動中>
ジャカルタのガンビル駅を、定刻8:50に発車。
車窓には、しばらくはジャカルタ市内で多く見かける陸屋根のコンクリート製の建物や、車の多く行き交う道路が続いているが、次第に郊外になると、不揃いなトタンの波板で覆った屋根の軒が、折り重なる様に連なるスラムに変わっていく。延々と続くバラック小屋の様な家。
アジアの大都市の周囲には、必ず広大なスラム街があるのは何度も見て来たが、ジャラン・タムリン(Jl.M.H.Thamrin)沿いに建ち並ぶ高層ビルとの落差には言葉を失う。


さらに進むと、今度は水を張った田植え前の田圃の隣は稲刈りの最中という、日本では見られない光景に出会う田園地帯に入った。どこにも耕運機やトラクターなどの機械の姿は無く、人が休みなく働いている。
二期作、三期作が出来るのは、火山性の土壌で土地が豊だからだろう。
しかし品種改良などで米の国内自給が達成されたのは1984年だったと読んだことがある。それだけ人口が多かったということか。しかも農民の約90%は、刈り取り専門を含めた零細の小作農家だと読んだことがある。


岸辺に椰子の木が植わった、土色の水面の川が流れている。
赤い瓦の住宅が連なる村の道を、スペダモトール(Sepeda Motor・オートバイ、原付自転車)が走っている。
またところどころ水溜りの点在する原野に変わる。
今度は稲を刈った後なのか、野焼きの白い煙が立ち上っている。
広大な田圃のあちこちに、細い木を四隅に立て、それにシートか布を縛り付けただけの簡単な日除けが立っている。風で布がはためいて吹き飛ばされそうだが、その下で昼餉を取っているのが見える。
この景色が果てしもなく繰り返えされる。

ジャワ島は面積的には日本の本州より小さいが、日本の総人口より多くの人が住んでいる。でもこの田園地帯にはそんな過密さは見えない。

出発して2時間経つが、まだ何処にも止まらない。
ワゴンサービスが来る。白いワイシャツ姿のハンサムな若者と、飛行機のCAの様なブルーの制服に、同色の帽子の下にジルバブ姿の美女。
「Do you have cappuccino?」と聞いてみる。
「ヤー Ya はい」と言うので、カプチーノを頼むと、インスタントの粉末を紙カップに入れて、お湯を注いでくれる。RP10,000(約85円)。

車内販売で買ったカプチーノ