歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

インド・パキスタンひとり旅(2000年) <31> 12日目  旅の終わり 帰国余波 

<12日目
2000年 3月20日 月曜日 成田空港 雨
昨夜20:15、「JL472」便はニューデリー、インディラ・ガンジー国際空港を離陸した。

<帰国(NEW DELHIから成田空港)>
「JL472」便は、3月20日の日本時間07:00、 早朝の雨の成田空港に到着した。
疲れていたのに、機内では殆ど眠れなかった。目はとろんとしているし、空港のトイレの鏡に映った姿は、髪の毛はくしゃくしゃ、髭は伸び放題。青いシャツとクリーム色だったチノパンツは汚れてよれよれだ。

Immigrationで帰国のスタンプを押してもらい、預入れ荷物が無いので、サブザックを背負いビニールの袋に入ったお土産を手に、税関に進んだ。
一緒の飛行機だった団体の人たちは、まだBaggage Claimで預入れ荷物の出てくるのを待っているらしく、早く済んだ人がトランクを積んだカートを押しながら、税関のカウンターを早々に抜けて制限区域外に出て行っている。

私も同じように機内で書いた「携帯品・別送品申告書」を差し出して行こうとすると、制服姿の係官が、パスポートをお願いしますと言う。
ああ、そうだと思ってパスポートを差し出すと、チェックした係官が、荷物をカウンター台の上に乗せて、中を開けて下さいと言った。

旅行中背負って来たMilletのサブザック

衣類などでパンパンに膨れたサブザックをカウンター台に乗せ、ザックの口を開け中の荷物を引き出し始めると、突然係官が、さっと手を伸ばしてサイドにあるジッパーを開けて中に手を突っ込んだ。

あれっ?!日本の税関係官とは思いない、意外な行動に驚いた。
いままで2度インド旅行した際、帰国時の税関ではサブザックを開けて下さいと言われても、私が中身を取り出し始めると、もう結構ですとそれ以上の追及は無かった。係官は荷物より私の挙動を見ていて、人畜無害と思ったのかもしれない(笑)。

しかし今回は違った。あきらかに何かを探している様だ。
係官は笑顔も見せないし、自分から荷物に手を出したのも初めてだ。でも、次第に何でか分かる気がした。
問題は「パキスタン」旅行かな。
インドばかりかパキスタンまで周ってきて、マリファナやハシシを持ち込むとしたら、ザックの中と見せかけてサイドポケットに潜ませ、ザックの中身を率先して見せることで、サイドポケットから係官の注意を逸らそうとしていると勘繰ったのではないだろうか。
私がパキスタン・インド国境で、インドRs.を小分けにし、没収されても良い「見せ金」を作っておくことで他のRs.札を隠し通そうと思ったのと似ている。

無論、何も無いので、取り出した衣類や歯ブラシやガイドブックを、無理やりサブザックに押し込んで、そのまま税関を抜け制限区域外の空港のロビーに出た。

その後、パキスタンの、MULTAN のGPOで投函した絵葉書は、結局日本には届かなかった。