歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

インド・パキスタンひとり旅(2000年) <28> まだ9日目 ゴールデン・テンプルに参拝する

<9日目ー2
2000年 3月17日(金)アムリトサル 晴れ
アムリトサルの、スイック教の総本山「ゴールデン・テンプル」を訪れている。

<黄金寺院に入るには>
スィック教徒の信徒集団で軍事組織でもあった「カールサー(Khalsa)」は、頭髪や髭を切らない、身体に刃物を当ててはならないなど掟があり、伸びた髪「ケシュ(Kesh)」を纏められるように、ダスタール(Daster)と呼ばれるターバンを巻き、髭を伸ばしている。
インドでターバンを巻いているのは、恐らくスィック教徒だけだ。

そのためスイック教の総本山「ゴールデン・テンプル黄金寺院」、正式には「ハリマンディル・サーヒブSri Harmandir Sahib」に入るには、スィック教徒以外の我々も髪の毛を覆わなければならないなどの決まりがある。

でもターバンって、どうやって巻くの?
そんな不信心な異教徒のために、寺院の前にはお詣りに必要な品を売る店が並んでいる。
私もそれを買った。
「What do I need to enter Temple?」自分でも良く分からない様な英語で、店の人に聞くと、異教徒が必要な「お詣り用具」として、ターバンの代わりに頭の毛を覆うオレンジ色の三角巾の様なものを教えてくれた。Rs.10(約35円)。服装はこのままで良いそうだ。但し、境内は裸足だと。
他に絵葉書3枚Rs.5(約18円)、ハンカチRs.10(約35円)を買う。
寺院に入るのは無料だが、入るまでの準備に若干のお金が掛かる。

入口で、頭に先ほど買ったオレンジ色の三角巾を被る。三角巾の前には、スイック教の紋章である「カンダ(Kanda)」が黒く描かれている。
裸足になる。靴を持参したビニール袋に入れて持ち歩くことにする。

スイック教の紋章「カンダ(Kanda)」が描かれた三角巾


<黄金寺院Sri Harmandir Sahib>
建物の中に入ると階段があって。それを降りてゆく。
寺院の外周を取巻いている建物の下を潜って、今度は階段を上がって外に出ると、真っ白な大理石の回廊に出た。
その中に大きな人工の池「アムリタ・サラス」があり、その真ん中に、経典「グル・グラント・サーヒブ Guru Granth Sahib」を納めた金色に輝く小さなお堂が建って居る。お堂は、周囲の回廊とは一か所だけ細い橋で繋がっている。
池を取巻く大理石の白い回廊、周囲の建物も白く、青い池に浮かぶお堂だけが金色で、その屋根が陽に照らされて輝いている。もうこれだけで宗教体験の様だ。荘厳と言うより、神秘的な体験だ。

1604年に建てられたこのスイック教の大本山ハリマンディル・サーヒブ(Sri Harmandir Sahib)に、1984年6月政府の政策に反対する1000人以上のスィック教徒の過激派が立て籠もり、それを排除しようとしたインド陸軍との間で激しい戦闘(Operation Blue Star)が行われた。

多数の死者を出したこの事件の遺恨か、排除を命じた時のインディラ・ガンジー首相(Indira Priyadarshini Gandhi)は、後日スィック教徒の護衛警官に依って暗殺されている。
インディラ・ガンジー首相は、インド独立後の初代首相ジャワハルラ―ル・ネルー(Jawaharlal Nehru)の娘だ。

しかし今は、お堂からは常にハルモニウムやタブラの音色と、聖なる詠唱「グルバー二・キールタン(Gurbani Kirtan)」が流れている。その中を、回廊に座ったり、池の周囲をゆっくり歩いているひと、橋を渡ってお堂に向かう人も殆ど無言で、寺院の中は細く響く歌声のほかは静寂そのものだ。

私も人に続いて、橋を渡ってお堂を参拝する。
寺院内は写真撮影禁止だが、私はどうしてもこの光景が残したくて、「アムリタ・サラス」越しに黄金寺院の姿をそっと隠れて写真を2葉撮った。
罰が当たらなければ良いが。

あああ

あああ

お詣りセットと一緒に買った絵葉書の「黄金寺院」


<HOTEL GRANDにもう1泊>
帰りは徒歩で戻る。
途中、昼食は中華系のレストラン「Crystal」で食べる。
スペシャルヌードル、スープ、ペプシコーラ、ミネラルウォーターを頼む。日本で食べる中華とは違うが、ここ何日かパキスタン料理、インド料理ばかりだったので、美味しい。でも、びっくりするほど高かった。計Rs.230(約805円)。

HOTEL GRANDにもう1泊する。
陽が落ち切らない、暖かい裡にシャワーを浴びる。

夕食はホテルのルームサービスで、Pakora(Rs.45)、Tandoori Chicken (half)(Rs.80)、Coffee(Rs.20)。合計Rs.145(約507円)。
タンドリーチキンを食べたのは、1997年11月最初のインド旅行のとき以来だ。カルカッタ(Calcutta)のリットン・ホテル(Lytton Hotel)のDiningで、今夜、夜行列車でプリ―(Puri)に向かうことが出来るのかと心細い思いで食べたのを思い出す。
でも、全体に、パキスタンからインドに入ってから、物の値段が高くなった様な気がするなぁ。

パコーラと久しぶりに食べたタンドリーチキン