歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

インドネシア・ジャワ島ひとり旅(2017年) <17> まだまだ6日目 ジャワ原人発見の地、ソロ近郊のサンギランに向かう!!

<6日目ー3> 

2017年 2月26日 日曜日 ジョグジャカルタ 曇り 暑い。30℃。ソロも暑い。
ジョグジャカルタ4日目。

 

<ジャワ原人発見の地・サンギラン>

ジョグジャからソロの街の近くにあるサンギランに行こうと、ジョグジャカルタTUGU駅に来た。サンギランはジャワ原人発見の地だ。
今はいろいろな原人の発見があって最古ではないのだろうが、私たちの子供の頃は、人類の祖先と言えばジャワ原人「ピテカントロプス・エレクトス」(Pithecanthropus erectus)だったし、その次は北京原人「シナントロプス・ペキネンシス」(Sinanthropus pekinensis)だった。
ジャワ島にきて、ジャワ原人発見の地に行かないなんて、有り得ない!!

11:05、ジョグジャカルタTUGU駅始発の、ソロ行きの電車Prameks号に乗った。
約1時間15分位でSolo Balapan駅に到着。此処でもジョグジャのTUGU駅からお世話になっている親子の後について、改札の無い出口から外に出る。
するとたちまちタクシー、ベチャの呼び声が殺到する。私が列車内であの父親に、ソロに着いたらタクシーでサンギラン(Sanggiran)に行くと言って居たので、その人混みに向かって父親が「タクシ、ク サンギラン。 Taksi, ke Sanggiran」と叫んでくれる。すると、早速1人の手配師がタクシーまで案内してくれた。
そこでこの親子とは握手をして別れた。色々教えてくれて本当に感謝だ。

タクシーとは値段交渉で、運転手はサンギランの博物館まで「PPペーペー」でRp.400,000だと。「PP」とは往復のことらしい。
Google翻訳で調べてみたら、どうも「Perjalanan pulang pergi」の略らしい。

「ブラパ ラマ ダリ シ二? Berapa lama dari sini? 此処からどの位掛かるの?」と聞くと、「サト ジャム。Satu Jam 1時間 」と。ならば高い!!
しかし片道1時間もかかるとなると、今日残りの時間も少ないので、結局Rp.300,000(約2,540円)で行ってもらう事にする。しかし同じ1時間で、クレタ(kereta api)は往復Rp.16,000なのに、口惜しい。でもタクシーはA/C付きだけど(笑)。

走り始めると、サンギラン(Sangiran)は本当に田舎で、運転手が「PPでー」と申し入れてきた事情が分かる。途中の道も、ジャワ島に入って初めて穴だらけの凸凹道。
途中で深い谷を流れる大きな土色の水の流れる川を渡ったので、これがブンガワン・ソロ(Bengawan Solo)だろうと運転手に聞くが、「スンガィ Sungai(川)」とだけ言った。

サンギランに向かう田舎の道

「Museum Manusia Purba Sangiranサンギラン古代人博物館」前に着く。
漸く着いて意外だったのは、こんなアクセスが悪い博物館に若い人や学生が沢山居た事だ。駐車場には観光バスも停まって居る。
ジョグジャカルタの王宮やボロブドゥールも制服の子供達で一杯だったが、インドネシアでは国の歴史や文化遺産を積極的に子供たちに見せようとして居るのかもしれない。

Museum Manusia Purba Sangiranサンギラン古代人博物館に着く

ソロ川流域のトリニール(Trinil)で、オランダ人解剖学者デュボアによって「ジャワ原人」の頭蓋骨が発見されたのは1891年。
このことは、日本の小学校の教科書にも必ず書いてあった。

「ピテカントロプス・エレクトス」(Pithecanthropus erectus)。いまはこう言われないらしいが、この名前は今でも口について出てくる。
これはジャズ・ベーシストのチャーリー・ミンガス(Charles Mingus)の、1956年のアルバムのタイトルにもなった。この影響か?(笑)。
高校生でジャズに夢中だった頃に、神田神保町のジャズ喫茶で聞いた。確かピアニストでビリー・ホリデー(Billie Holiday)の伴奏者でもあったマル・ウォルドロン(Mal Waldron)も参加していたアルバムだった。
マル・ウォルドロンが、ビリー・ホリデーが亡くなった後に作ったピアノ・ソロの「オール・アローン」(All Alone)も良かったなぁ。

ジャワ島にきて一番先に浮かんだのは、そのジャワ原人発掘の現場に行ってみたい!という思いだった。
しかし実際の発見現場は、ここからまだ5Kmほど、オジェ(Ojek バイクタクシー)や徒歩で向かわなければならない場所らしく、戻る時間などを考えるとそこは断念するしかなかった。
ここサンギランは、最初のジャワ原人発見以来続けられてきた発掘作業で、世界中で発見された人類化石のおよそ半分がこの地域で発見されたと言われている場所だ。ここに発掘の成果を展示した博物館が作られている。

入場料Rp.10,000(約85円)を払って入館する。
博物館の中は、ジャワ原人発掘の経緯や、その後発見されたマンモスの牙などもこの博物館に展示されている。ジオラマや絵での展示が多く、期待して居た発掘のプロセスや学術的な意義などの説明が余り無く(と言うより、書かれていても読めなかっただけかな(笑))少し残念だった。

サンギランからの帰りは、「PPペーペー」のタクシーで駅まで戻った。

頭蓋骨(レプリカ?)の展示

展示はジオラマが多い。

発掘された同時代の哺乳類の化石


<ソロの駅では思わぬアクシデントが!>
Solo Balapan駅に着けば、ある程度勝手が分かっているので、やや余裕だ。
チケットカウンターでやはり一番並んで居る窓口に行き、待つと、矢張りガラス窓の横に「Prameks 17:00」と書かれて居る。
「ハイっ」とばかりRp.10,000札を出して切符を貰う。我ながら手際の良さに、もうインドネシア鉄道の乗り方は会得したぞ!と自惚れて仕舞う(笑)。
この「Prameks 17:00」号はローカル線だが、ここSolo Balapan駅が始発だ。帰りの時間は少し遅くなるかもしれないが、何より座って帰れる。

一日中動いて昼食も食べて居ないので、お腹が減って堪らない。
駅中に「Roti O」(インドネシア語で「Rotiロティ」は、パンのこと)が有ったので、パンと水と、カプチーノを注文する。立食いなので期待しなかったが、カプチーノは本格的にミルクも沸騰させて作っている。プラスティックのカップに入れ、小さな飲み口の穴の空いた蓋をして、熱くて持てないのでわざわざビニールの袋に入れてくれる。Rp.17,000(約145円)


未だ発車まで2時間近くあるので、空いたベンチを探す。しかし構内は人で一杯だ。ベンチだけでなく、沢山の人が床に座って居る。
インドネシアの鉄道は感心する事に、列車が終着駅に着く前に、車両の通路を職員が床を掃いてゴミを拾って行き、その後ろを集めたゴミを入れた袋を持った人が続いて行く。
駅でも専任の人が、必ずモップの様なもので床を掃除してまわって居る。

Solo Balapan駅構内

列車が入線して、人の移動があったのか、ベンチが空いたので漸く座れる。
お腹が減ったので袋から半分出してパンを食べ、カプチーノのカップを持って蓋の穴から飲もうと近付けた時、突然熱いコーヒーが一気に零れ出て来た。熱い!!左の脇腹から脚まで零れて濡れている。

しばらく何が起きたのか、理解出来なかった。
慌てて服を捲りあげると、一番熱かった左脇腹が赤くなってヒリヒリしている。
この旅行で最初の負傷かなぁと意気消沈するが、持って居たウェットティッシュを出して脇腹に当て、その上からペットボトルの水を掛ける。幸い気温が高く他のところは次第に乾いて来るので、お腹だけ水で湿らせて冷やし続ける。
ようやく人心地付いて原因を考えると、カプチーノの入ったプラスチックカップが日本のものより柔らかいので、手で持ち上げた時カップが歪んで、閉まっていた筈の蓋が外れたのだろう。それにしても熱かったぁ。

旅行で最初の負傷かなぁ