歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

マレーシアひとり旅(2024年) <48> 11日目 帰国 旅の終わり

<11日目ー旅の終わり
2024年8月1日 木曜日 KL 曇り 最高32 最低25℃。

 

 <早朝のKLIA>
クアラルンプール国際空港(KLIA)の、ターミナルビルの中で夜を明かした。
昨晩22:00にチェックインしたカプセルホテルの部屋から、早朝の3:30ごろ、蚕が蛹の中から脱皮するように抜け出す。カプセルのドアを閉めてキーで施錠。
歯ブラシとペースト、半分入った水のペットボトルとハンドタオルだけを持って、店外に出た。
入口にあるレセプションのカウンターには、昨日受付してくれた女性ではなく若い男性が座っていたが、何も言わない。
レセプションも空港内とはいえ、流石に夜中、女性をひとりでレセプションに置くわけにはいかないので、男性に替わった様だ。

店のすぐ先にあるトイレに入って、鏡の前で歯を磨く。誰もいなかったが、途中清掃の男性が来たが何も言わずに出て行った。
ロビーは一晩中照明がついていた様だ。もう起きだしたのか、それとも一晩中寝ていないのか、中東系の長衣を着た男性や、様々な国の老若男女が、ほとんど無言で座ったり歩き回ったりしている。

歯磨きと洗面を終えてカプセルホテルに戻ったが、ホテルの使用時間が6時間限度なので、4:00にチェックアウトする。
向いのロッカーからトランクを出して、5LevelのDeparture Hall出発ロビーに向かう。

昨日確認した、「F」のANAのチェックイン・カウンターには、既に人が並んでいる。NH816便の出発が07:15、チェックイン開始が2時間前としても、流石にまだ早くないかなぁ。果たしてこの列は、ANA便のチェックインを待つ人の列なのかなぁ。
疑心暗鬼にそう思っていると、通路の向こうからサブザックを背負い、小さなキャリーバッグを引いて短パン姿の、同年輩と思しき眼鏡を掛けたアジア系の男性が歩いて来た。
彼に、「Excuse me, Please tell me. Is this check-in line for ANA to Narita?」と聞くと、たぶんそうだと日本語で返事してくれた。
私も「随分早くから並んでいるんですね。」と言うと、なんだお互い日本人かと、破顔一笑する。

チェックインの列に並んで、しばらく話した。
彼もマレーシア各地をひとりで歩いて来たらしい。ここは食事は旨いし、交通機関も便利で良いと。お互いにひとり旅ですねと言うと、同行者に変に気づかいすることないし、上手くいっても失敗しても自業自得。旅はひとりが一番と、変に馬が合う。

若いころ「地球の歩き方」を持って、世界に旅立ったOld Manが生き残っているのかな。それとも、年取ってから旅好きになった人なのか。
そういえば、2018年に行った南ヨーロッパの旅の際に、トルコの片田舎の「セルチェクSelcuk)」という小さな町で泊まったゲストハウスの看板には、忘れられた様に日本語で「地球の歩き方」と描かれているのを見て、何か気恥ずかしかった思い出がある。
このころはもうとっくに、どこに行ってもひとり旅の若い日本人には出会わなかった。2000年前後の2、3年は、インドにはまだ沢山のひとり旅の日本人バックパーカーがいたけど。


<帰国>
無事ANAのカウンターでチェックイン。
日本でのアーリーチェックインでは、便利だけどどうもスマホでの手続きが良く分からないストレスがあったが、カウンターで相対で行うと何故か安心する。どうも、既に時勢に置いて行かれた老人になった気がする(笑)。
いや、「気持ち」だけではなく、どうしようもなく老人になったんだろう。

エスカレーターを下って、3Levelに移動して、そのままイミグレーションへ。
カウンターの係官に、パスポートを提出。
すぐ脇にあるカメラに顔を向けると、カメラがピントを合わせる様に二度三度と動くが、なかなかOKが出ない。ようやくカメラがOKとなって、今度は指紋のチェック。両手の人差し指を機械の上に乗せる。これでようやく出国スタンプを押してくれた。
保安検査を通って、コンタクト・ピアからサテライト・ピアに向かうバスに乗る。

06:00過ぎ、サテライト・ピアの中の「O’BRIENS KLIA SATELLITE」という店で、財布に残ったリンギットを数えながら、Cheese Frank Croissantを買って食べる。RM12.55(約426円)。これが朝食だ。
コーヒーも飲みたかったが、お金が足りない。情けないが、ペットボトルの水を飲んで我慢する。
ANAのNH816便の搭乗ゲート「C22」に入るが、此処でまた手荷物チェックがあった。

朝食のクロワッサン

搭乗ゲート「C22」で待つ


06:45,ようやく搭乗。
機体はボーイングの787だ。座席は3,3,3の配置。私の席は、真ん中列の通路側の「38G」。期待通り、隣の席には誰も来なかった。
07:15、KLIAを離陸。

15:00、ANAのNH816便は、行きの羽田と異なる成田第一ターミナルに到着した。時計の針を、マレーシア時間から1時間進ませなければならない。

 

搭乗したB787の機内