<9日目ー21>
2024年7月30日 火曜日 マラッカ 最高32℃ 最低26℃。
マラッカ3日目。「独立宣言記念館」を出て、オランダ広場に降りて行った。
<ようやくオランダ広場のチャーチに入ってみる>
少し脱水症状なので、屋台のジュース屋さんで、ココナッツ・ウォーターを買って飲む。此処では、その場でココナツの実を割って中のジュースを飲むのではなく、すでに出されたジュースがタンクの中に溜まっているのを、プラスチックのカップに注いでくれた。
値段はRM5(約170円)。
一昨日、ランドリーを探しなら歩き回って、インド人の店でココナッツの実を割って貰い飲んだココナッツ・ウォーターと同じ値段だ。今日のも味は同じだが、やはり直接実の中から飲みたかったなぁ。
マラッカの丘(Bukit Melaka)を降りて、オランダ広場に戻ってきた。
マラッカで一番有名な場所だが、観光客で混雑しているので、いつも前を素通りしていた。
此処は広場を囲んで、いずれも有名な赤錆色に塗られたキリスト教のチャーチ(マレーシアではグレジャー)Christ Church Melakaや、博物館になっているスタダイスStadthuys、時計塔Clock Towerが取り囲み、広場の中央ではヴィクトリア噴水が水を噴き上げている。
この広場は、日本の観光パンフレットには「オランダ広場」と書かれることが多いが、一般的には「スタダイス広場」や、単に「クロック・タワー」とも呼ばれているみたいだ。
スタダイスとはオランダ語で、議事堂や市役所と言う意味らしい。教会の横に立っている四角い実直そうな建物が、オランダ植民地時代の中心的な建物だったのだろう。
この装飾の少ない建物は、いかにもプロテスタントの国のものという感じだ。
クロック・タワーは時計塔で、建っている場所が、イギリスの植民地ならそこが中心地であることを意味しているが、オランダの場合どうなんだろう。
尤もこれはオランダが建てたものではなく、プラナカンperanakanの豪商が、亡き父のため建てたものだそうだ。
因みにプラナカンとは、マレーに移住した中国人などの外国人が、現地のマレー人女性と結婚して生まれたミックスの子孫のことだ。ここマラッカには、経済的に成功したプラナカンの豪邸が多くある。
赤錆色に塗られ、ファサードに十字架が掲げられたチャーチ(グレジャー)Christ Church Melakaを見に行く。
此処はオランダ人がポルトガル人を駆逐して、マラッカを占領した100周年記念事業で、1741年に着工され、1753年に完成したオランダ建築の教会だそうだ。オランダなので、もちろんプロテスタント教会だ。
宗教施設なので、入場は無料。
館内はプロテスタントらしく、装飾の少ない簡素な作りだ。チャーチチェアに坐ってしばらく休んでいたかったが、館内も左程広くないし、それにひっきりなしに観光客が来るので押し出されるように外に出てしまった。
2018年の旅行で行ったシチリア島パレルモのカテドラルでは、毎日の様に堂内の長椅子に座っては長いことぼんやりしていたが、ここではそうもいかない様だ。
<ポストに描かれた「GR」の意味>
ホテルに帰る街角で、赤い円筒形のポストを見かけた。
日本では今ほとんど見かけない形だ。マレーシアの郵便ではまだ現役なんだろうか。
そのポストに大きく描かれた「GR」の文字は何だろう。
日本の郵便ポストに描かれた「〒」は、日本で郵便が始まった明治時代に、郵便や電信を取り扱っていた役所の「逓信省」の、カタカナ読みの最初の「テ」の字の図案化らしい。
マレーシアの郵便は、POS Malaysiaだから、書くとすれば「PM」?
オランダ時代のものなら、オランダ語の何かのマークなのかなぁ。
17:30頃、ホテルの隣のセブンイレブンで夕食用のパンを買う。ツナと卵のサンドイッチだ。今日は疲れて、いつものように中華街に行く元気がない。
夜、シャワーを浴びてビールを飲んでいると、突然iPhoneに孫娘からFaceTimeが来た。久しぶりに顔が見られて嬉しかった。
孫娘は、「いつ帰るの?」と聞いて、帰ったら駅まで迎えに行くからと言う。
孫の父親である息子に、家に帰るのは夜になるから迎えなんていらないよと言うが、孫娘がどうしても行くっていうから行くよ。着いたら連絡して、と言われてしまう。
iPhoneで、バスの予約アプリ「Eassybook」を使って、マラッカからKLに戻る明日のバスの予約をする。今度はKKKLのバスが取れた。
さてマラッカ最後の夜、寝ようかと思ったら、昼間見たポストの「GR」が気になって仕方ない。
確か「GR」の上に王冠のマークがあった。やっぱりオランダ時代の物か?いやいやそこまで古くない。ということは、イギリスの植民地時代のものか?
iPhoneを使ってネットで調べてみる。すると、いろいろ興味深いことが分かった。
あれは、やはりイギリス統治時代のポストの様で、胴体に描かれた文字や記号は、イギリスの政府機関や公的文書などに使用される「ロイヤル・サイファ Royal Cypher」というものらしい。
いわばその時代のイギリスの君主を表す印だ。
例えば「VR」ならヴィクトリアVictoria女王の時代、1837年から1901年に作られたもの。1952年から2022年までのエリザベス2世Elizabeth 2nd女王なら、「EIIR」と記された。
じゃぁ、あのポストの「GR」はというと、どうもジョージ5世 George 5Th在位の時代らしい。1910年から1936年までに設置された郵便ポストだって言う訳だ。
しかし、そんな旧い時代のポストをまだ使っているなんて、これはマラッカだからかなぁ。
でも、些細なことでも分かって、よく眠れそうだ(笑)。