<6日目ー1>
2018年 5月19日 土曜日 セルチュクは晴れ 暑い。33度。
<ようやくセルチュクSelcukに到着>
6:00、バスは二階建てのイズミールのオトガルに到着。イズミール(Izmir)はエーゲ海沿いにあるトルコ第三の大都市だが、オトガルは郊外に在るし、早朝の為かバスも人も殆ど動いて居ない。このバスからも人は降りない。
オトガルを出てまた自動車専用道路を走る。
私はGoogle Mapでバスが走っている場所を確認するが、セルチュク(Selcuk)はもうすぐだ。
7:00 前にセルチュクのオトガルに着く。此処はイズミールよりも遥かに小さなオトガルで、広場の端にミニバスが何台か並んでいるだけだ。
乗客が2人降りたので私も降りると、それを見た添乗員の男がどうしたんだと慌てて寄ってきた。
当たり前の様に「I get off here. 私は此処で降りる」と言うと、驚いた様で違う地名を言うが解らない。昨晩、セルチュクに行くがこのバスでいいかとチケットを見せながらお前に聞いただろう!と怒鳴りたかったが、男も困った様で、荷物室を見ると幸いにも私のバックパックが余り下でなく端が覗いていた。あれだ!と言うと、引っ張り出して来た。下の方に有ったら、上の荷物を全部出さなくてはならないところだった。
私もGoogle Mapを見ていて、ここがセルチュクだと分からなければ、そのまま乗り過ごしてしまうところだった。
私とバックパックを置いて、バスはUターンするとオトガルを出て行った。
セルチュク(Selcuk)はエーゲ海に近く、イズミール(Izmir)県にある町だ。有名なエフェス(Efes)遺跡観光の拠点のひとつで、セルチュクはエフェスの北東5Km、もうひとつのクシャダス(Kusadasi)は北東20Kmにある。私はエフェスに最も近い町として、セルチュクを目指して来たのだ。
後で知ったが、殆どの乗客はこの先のエーゲ海沿いのリゾート地、クシャダスに行くので、バスに乗り込んだ時、あの添乗員が乗客に、降りるのは「クシャダス?」と当たり前の様に聞いて回っていたのだ。私はそれが行き先だとは露程も知らなかった。
ここで降りたのはローカルの2人と私の3人だけだった。
こじんまりしたオトガルだ。と言うより殆ど広場で、その端に屋根のある建物とミニバスが並んでいる。車は一台も動いていない。
人もまだ少ないし、朝方の涼しい空気が立ち込めている。
急いで歩きだす必要もない。バックパックを置いたままベンチに座り、水を飲む。
少ししてバックパックを背負うと、オトガルからGoogle Map に導かれるままに、週一回開かれるらしいバザールの準備をする人達の中を歩いて、7:30にはシャハベッティイン・テディ通り(Sahabettin Dede Blv.)沿いのホテル、ヴァルダル・ペンション(VARDAR PENION)に着く。看板には「地球の歩き方」と日本語で書いてある。何故か昔の名残りの様な気がする。
いま「地球の歩き方」を持ってひとり旅する日本人の若者なんているのかなぁ。いるのは私みたいなお爺さんだけではないのか。
宿はひょろ長い三階建てで、通りに面して前庭があり、テーブルが2つ置いてある。
前庭に入り「Excuse me!」と声を掛けると、一階の室内からスカーフを被ったおばあちゃんが出て来た。Booking.comの予約票とパスポートを出して、チェックインをお願いする。
2泊分の料金30€ (約4,050円)を現金で払う。トルコ・リラではなく、必ずユーロで払ってくれと言う。仕切っているのは80才のおばあちゃんだ。
着いたばかりだが朝食を用意してくれるとのことで、庭のテーブルに着いて頂く。
プレートにバター、チーズ、蜂蜜、オリーブの塩漬け、胡瓜、トマトと茹で卵。バスケットにはバゲットのパン。ガラスのグラスに入ったチャイ。
美味しい。チャイはお代わりした。朝食も宿代にincludedだ。
部屋は3階で、シングルベッドが2つ、シャワーを兼ねたトイレ。典型的なゲストハウスだ。洗面台が有るが、蛇口の取付が内側に傾いていて、水を出すと流しに入らず内側の壁に当たって飛沫をあげる。
置いてあったビーチサンダルを履いて、シャワーを浴びる。お湯が出るので有難い。
下でランドリー出来るか聞くと、20TL(約530円)で今日中に出来ると。
着替えて外に出る。宿の前の通りも「土曜の市」の露店が並んでいる。綺麗な色の真っ赤なトマトや胡瓜などの野菜、林檎やサクランボなどの果物が山の様に並べられている。本当に野菜や果物の豊かな国だ。