歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

トルコからギリシア、イタリアへひとり旅(2018年) <37> 未だ21日目 レッチェからの帰り道。そしていよいよシチリア島Siciliaへ出発。

<21日目ー2>

2018年 6月3日 日曜日 バーリは晴れ 暑い。レッチェも晴れ。暑い。

< レッチェLECCEからの帰り道>

散々迷った挙句、ようやくレッチェ駅に戻って来た。

16:00発のバーリ行き各駅停車に乗る。丁度帰る観光客が多いので、混んでいる。幸いドア近くに座れて、窓際の席で外を見ている。

ブリンディシを過ぎる。初めからレッチェ観光をするのなら、ここからの方がバーリからより遥かに近かったなぁ。

しかし私の優先事項は次の目的地シチリア島(Sicilia)へ行くためのバス便を確保することだった。バスは、ブリンディシからは出ていないし、なるべく早くチケットを取るために、先にバーリへ移動したのだ。そこで余裕が出来たので、レッチェに行けたのだから、文句は言えない。

 

そんなことを考えていると、混雑した列車の奥から怒声が聞こえてくる。何か大声で喋りながら、乗客に相槌を強要するように絡んでいる。見ると数人の中東系やアフリカ系の若者だ。私の前の中年の女性にも何か言っている。迷惑そうに横を向いたが、今度は黙って外を見ている私の顔を覗き込みながら、馬鹿にしたような、嘲るような口調で「China? Korea?」と聞く。
黙っていようかと思ったが腹が立ったので、「Japan」とだけ言うと、一瞬詰まった様な口調で、仲間に「Japan」と言う。そして「I live in Monopoli.」と言って、今度来いよと言う様な事を言いながら前の方に行く。直ぐに電車がモノポリ(Monooopoli)の駅に着いて、みんなどっと降りて行った。

 

トルコのエーゲ海沿いからギリシアのヒオス島、ギリシア本土、そしてイタリア南部と旅行してきた。

私の旅行してきたルートが、アフリカから地中海を渡って欧州へ向かう海のルート、中東からトルコを経てバルカン半島から欧州を目指す陸のルートなど、難民の移動するルートに近かったのかも知れないが、それでも中東系やアフリカ系の移民や難民がこんなにも多いのかと改めて感じた。2011年「アラブの春」やシリア内戦が始まって、2013年には欧州に100万人超の難民が押し寄せたと報道された。その姿の一部を少しだけ見た様な気がする。

 

<夜、シチリア島に向け出発する>
バーリの駅に着いて、今日の昼は軽かったし、この後移動が待っているので、昨日行った駅前のケバブ屋で山盛りケバブと野菜を食べる。6€(約810円)。
バーリ駅の荷物預かり所は20:00でcloseなので、急いで荷物を引取る。6€(約810円)。

 

今晩の夜行バスでシチリア島(Sicilia)に向かう。
駅正面から地下道を通って、BARI 駅の裏側に出る。
17:35、バスが着くはずの近くで、カフェに入る。バスの出発が21:30なので時間を持て余した。これから長時間のバス旅で、いつトイレ休憩があるか分からないので、本当は余り水物を取らない方が良いが。カフェラテを頼む。

バーリ中央駅の裏口

路上のそこ此処にバスが停まる

夜発のバスも、キチンとしたバス乗り場があれば良いが、ここは路上だ。しかし本当に何処にバスは来るんだろう。チケットを買った旅行代理店からは、出発地はバーリ駅裏口。丁度表口から裏口へ通じる地下通路の前辺りの、Via Giuseppe Capruzzi通りの路上だと言われている。
バーリ駅の裏側は、立ち並ぶ建物一面に落書きがされ、路の端にはゴミが吹き溜まっている。浮浪者がいて、アフリカ系の物売りや、何もしないでビルの角や舗道の端でじっとしている人がいる、物騒な街路だ。

もう一度昨日チケットを買った旅行代理店に行ってみる。相変わらず人がいっぱいだ。列に並んで、チケットを見せながら「Where does this bus depart?」と聞くが、あの通りだよ!と指さすと、直ぐに次の客の対応を始めてしまう。

またさっきの路上に戻る。
次第に客が集まって来た。此処は私の乗るシチリア島以外にも、色々な方面に行くバスが着く。もちろん停車場所の表示も案内も無い。
多くの人が路の先で停まったバスを見ると、あれが自分の乗るバスではないかと見に行ったり、後ろの方にバスが停まるとまた見に行ったり、皆心配そうだ。


近くにいたスーツケースを持った中年の夫婦に、「The bus for Catania, stop here ? カターニャ(Catania)行きは此処で良いのか」聞くと、小柄で小太りの可愛いおばさんが私もカターニャよと嬉しそうに言ってくれた。イタリア語だが、そんなことを言っているのが何となく分る。私がカターニャに行くと思ってか、カターニャは綺麗なところだと言う様なことをイタリア語で話してくれるので、実はカターニャで乗り換えてシラク―サ迄行くんですと片言の英語で言うと、今度はシラク―サは本当に綺麗な街だと教えてくれる。こちらも背は低いが、がっしりした体躯の白髪の旦那さんが、傍で黙って聞いていた。

この辺りにシチリア行きのバスが停まるはずなんだが・・・

21:30発のバスが21:15に来た。水色のバスで正面の行先表示は「Sicilia」。
すると多くの人が切符を手にバスの運転手に殺到する。

みんな口々に、このバスで良いのか聞いて、車内に入って行き、席を確保する。その間に旦那さんや仲間が荷物室に荷物を入れる。連携プレーだ。
私はひとりなので、荷物を持って運転手を囲む輪の中を進み、チケットを見せてようやくこのバスでOKだと聞くと、後ろの荷物室に行って荷物を入れようとするが、もういっぱいだ。もう一人の運転手がこの上に入れろというので、バックパックを持ち上げると一杯に積まれたトランクの奥の奥深くへ押し込んだ。私の荷物がトランクだったら入らなかっただろう。
ようやく客室に入ったが、既に席は埋まっている。後ろに行くとようやく席が見つかった。
座ると、今日1日分の疲れがどっときた。

ようやく走り始めて、また途中でお客が乗ってくる。すると私の指定席に他の人が座っていると言って、また大騒動。私の切符にも席の指定など無い。どうなっているのか。
闇の中をシチリア島に向かって行く。