歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

トルコからギリシア、イタリアへひとり旅(2018年) <59> 32日目 旅の終わり・・・ローマを出発!!

<32日目

2018年 6月14日 木曜日 ローマは曇り 朝方は涼しい。朝は18度。

 

<旅の終わり・・・ローマ・テルミニを出発

5:00、起床。
出発の準備をする。

新しく増えた荷物。


7:00 ホテルをチェックアウト。
6月6日に来た時と同じ、脚の不自由なおじさんがレセプションにいた。精算するも追加金は無し。
握手して、「Arrivederci さようなら」と声を掛けられる。私も、にわかイタリア語で「Arrivederci!」と言う。
旅の終わりだ。


バックパックを背負った他に、今では来た時には無かった大きなキャリーバッグを引いている。
バックパックの中味の多くをキャリーバッグに入れてしまった。空港で荷物の預け入れをするまで、サブザックはバックパックの中だ。

実は昨晩悩んだのだ。ETHAD航空の Economyの預け入れ荷物(受託手荷物)は30㎏までだ。私の荷物はそこまで重くない。しかし、個数の制限はあるんだろうか。1個でなければ駄目なのか。それなら、サブザックだけを機内持ち込みにして、バックパック分は全てキャリーバックに入れなければならない。

しかし、待てよ。インドの人も東南アジアの人も、中国も韓国も、多くの人たちはキャリーバッグはおろか、単に梱包しただけの荷物を何個も預けているじゃないか。多分、預け入れは複数個でも大丈夫なんだろう。そんな沢山の荷物をもって旅をしたことが無かったので、そんなこともいままで知らなかった(笑)。


テルミニ駅に向かう。
バックパックを背負い、片手に大きなキャリーバッグを引いて見慣れたミラッツォ通り(VIA Milazzo)からマルサーラ通りに出て、朝の雑踏の中を駅に向かう。まだ涼しい。

巨大なテルミニの中に入り、コンコースからプラットフォームに入る。
23、24番線の前で、切符(biglietto)に刻印ティンブラーレ(timbrare)する。
レオナルド・エクスプレス(Leonardo Express)のホームには、此処だけセキュリティチェックの様な改札口がある。横にいた係の男性に切符(biglietto)を見せると、「23」だと英語で言われ中に入る。

停まって居たのは、私が買った7:35より一本早い7:05のレオナルド・エクスプレスだったが、座席指定では無いのでそのまま乗車する。
この電車は1時間に2本発車している。

車両の中程にラゲージ置き場があるが、車内は空いているのでそこに置かず、入口に近い座席に座って、その横の席に荷物を置いた。この列車は途中で停車する駅が無い直行便なので、発車時に座席が空いていたら後から人が乗って来ることは無い。

座ったら、思いがけず吐き気の様に寂寥感がきた。
イスタンブール(Istanbul)のバスターミナル切符売り場で、受け付けの女性も「それ、何処?」と同僚に聞いていた田舎町のセルチュク(Selcuk)。
東エーゲ海で、トルコの間近ながらギリシア本土から忘れられたように離れたギリシア領のヒオス島(Chios)。
オリンポス(Olympos)からイタリア行きのフェリーが出るパトラ(Patra)へ向かう路線バスで、途中で慌てて降りて迷子になったピルゴス(Pyrgos)の街。

迷子と言えば、イタリアでもレッチェ(Lecce)の街で大汗書いて歩き廻ったし、シチリアのパレルモ(Palermo)では疲労困憊したところをトクゥトクゥに助けられた。
考えてみればこの旅は迷ってばかりだ。でも覚えているのは、たった一人で、ある時は必死の思いで歩き廻ったこんな町ばかりだ(笑)。
でも、それももう終わりだ。終わってしまった。

レオナルド・エクスプレスの車内

フィウミチーノ空港(Aeroporto di Fiumicino)に向かう。
空港はローマ中心部から南西約30Kmの、ティレニア海に面したフィウミチーノ市にある。

<フィウミチーノ空港>

予約より1本早い電車に乗ったので、30分早く、7:37 フィウミチーノ空港に到着。所要時間32分だ。
この空港は、従来のチャンピ―ノ空港に代わって1960年に開港。IATAの3レターコードは「FCO」。

乗って来たレオナルド・エクスプレス

トレニタリアの出口から空港に直接入れる。バックパックを背負ってキャリーバックを押しながら、ターミナル1を目指して進む。

電車を降りて、そのまま空港ターミナルビルに向かう。

ターミナルビルの入口にインフォメーションカウンターがあるので、そこの女性に「Where is the Etihad Airlines counter?」と、エティハド航空のチェックインカウンターは何処か聞く。
フィフティーンと言ったが、私が聴き取れないと思ったのか「ワン・ファイブ」と重ねて教えてくれた。

15番のカウンターの前には既に行列が出来ていた。
一本早い電車で来ていて良かった。
最後尾と思われる中華系の年配の女性とインド系の若い女性の二人連れに、「Is here end of line?」と聞くと、「YES」と笑顔で答えてくれたので、その後に並ぶ。
8:15からチェックインカウンターが開くが、一人一人の対応が長く、また沢山の荷物を持ち込む家族もいて、なかなか進まず。

ようやくカウンターでチェックイン。
バックパックとキャリーバッグを預ける。
言わずもがなと思ったが、アブダビ空港で乗換なので念のため、「Will my checked baggage go to straight to Narita airport? 荷物はそのまま成田まで行くよね?」と、どうも日本語っぽい英語でカウンターの女性に確認する。
それでも通じた様で、「Yes」と。

フィウミチーノ→アブダビ、アブダビ→成田と2枚のボーディングパスを受取る。リコンファーム無しでも大丈夫だった様だ(笑)。

 

チェックインの前に、キャリーバックから取り出しておいたサブザックだけを担いで、セーフティチェックの場所が複数あるので、係員にボーディングパスを見せて、此処で良いのか聞いて入る。
そこを抜けるとずらりと免税店が並んでいる。中を通りボーディングゲートのある「E36」を目指すが、ここまで来れば一安心だ。
朝から何も食べていないのでお腹が空いた。カフェに寄ると、黒山の人だかりだ。何とかカウンターまで入り込んで、コルネットとカプチーノを頼む。4€。
カウンターで受け取ると、立ち食いのスタンドで食べる。朝の甘いコルネットは美味しい。


そのあと変更はあるだろうが取り敢えずボーディングゲートを見ておこうと、Eゲートに向かう。
すると前に、ディズニーランドのアトラクションを待つ様な長蛇の列。間違って入国審査の所に出てしまったのかと思い、向こうから歩いて来る職員にボーディングパスを見せ、Eゲートは何処か聞く。するとあの長蛇の列を指さして、サッサと行ってしまった。
改めてあの列は何だろうと思って見たら、何と出国時のパスポートコントロールだ。
エッ⁈ 何で今更?と思ったが、良く考えてみたらまだ出国手続きのパスポートチェックを受けていなかったのだ!!

通常、日本の空港ではチェックインのあとセーフティチェックを受けたら、次にパスポートチェック、そのあと免税店、搭乗ゲートの順番が多い。東南アジアや南アジアは空港ターミナルビルに入る前にセーフティチェック、そのあとチェックインが多いが、ほとんどの空港ではそのあとはイミグレーション(パスポートチェック)だ。
こんな奥まった所にパスポートコントロールがあるのは初めてだ。

しかしよくよく考えたら、多分「E」の搭乗口が、EU以外の、所謂シェンゲン協定国以外への便の搭乗口だからなのかもしれない。イタリアの隣国はじめ、ヨーロッパの殆どはシェンゲン協定国で、むしろそれ以外の、パスポートチェックが必要な国への発着便の方が少数派なのかもしれない。だからこんな奥まったところにパスポートチェックがあるんだろう。


しかしディズニーランドも顔負けの、何重にも九十九折になった列が、ほとんど進んでいない。沢山あるカウンターの多くが閉鎖していて、開いているのが少ししかないので、列は伸びるばかりだ。
途中で前を進む列の中に、あの中華系の年配の女性と若いインド系の女性を見つけ、お互い目が合うと、困ったものだねと無言で苦笑いし合う。
此処を通るのに1時間かかった。
さらにターミナルビルから、サテライトに向かう新交通システム「スカイブリッジ」を乗り継いで、ようやく搭乗口「E36」の待合室に着き、此処で待つ。

無人電車の様なスカイブリッジでサテライトに向かう。

10:54サテライトからバスに乗り、沖止めされた飛行機に無事搭乗。機体はAirbus332、2列通路でシートは2、4、2の配列。私は真ん中の四列の通路側の21Dだ。
10:57 iPhoneを機内モードにする。これでイタリアの「TIM」ともサヨウナラだ。
11:15 ローマ ・フィウミチーノ空港を離陸。
機内食の昼食が出る。

 

<アブダビ空港でトランスファー>

時間を2時間戻した19:30、アブダビ空港に到着。
沖止めの飛行機からバスでターミナルビルへ。
そのまま広いトランジットの為のセーフティチェックのエリアを抜けると、搭乗エリアだ。
アブダビ空港のトランジットは本当に簡単で楽だ。パスポートのチェックも無いし、手荷物のサブザックの中に、フィウミチーノ空港で買った水のペットボトルが入っていてもOKだった(笑)。

 

いま22:05発のアブダビ→成田のフライトEY878の搭乗待ち。
搭乗口は「43」。此処はヨーロッパや北米などへの便の搭乗口が並ぶフロアから一段下がったエリアで、今回の旅行の始めの5/15に8時間トランジット待ちしていたフロアだ。
今度は日本行きの便なので、次第に待合室に日本人が集まってくる。皆胸にツアーバッジを付けている。中東の観光かもしれない。思えば約1ヶ月間、こんな間近に沢山の日本人に遭ったことが無かった。

昔パキスタン旅行中、中部の街ムルタンで病気になり、なんとか辿り着いたラホールから徒歩で国境を越えインドに入るなど苦しかったインド・パキスタン旅で、帰国するニューデリーの空港で同じような思いを感じたことがあったのを思い出した。あの時は帰国便がJALで、周囲の日本人旅行客が皆胸にツアーバッジを付けていたっけ。

搭乗口の前で成田行きの便を待つ。

22:05 沖止めのEY878 にバスで移動。
ボーイング787は3、3、3の座席配列で、今度は真ん中の席の通路側21Gだ。
真ん中の席は隣が空いている確率が高いので、なるべくそうしている。隣の空席を挟んで反対の通路側は、白い髭を生やしたおじさんだ。
これから成田空港まで約10時間のフライトだ。