歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

南インドひとり旅(1999年) <10> まだ4日目 ヴィヴュカーナンダ岩に行く

<4日目ー2
1999年 2月23日 火曜日 カニャークマリ 晴れ

<カニャークマリのメインロードを歩く>
HOTELを出て、徒歩でメインロード(Main Rd.)にあるCANARA BANKに寄るが、人が一杯で両替出来ない。
隣のPOST OFFICEに寄って、朝書いたMADORAIの絵葉書を出す。
切手代Rs18×2葉=Rs36(約126円)。

途中、道沿いの売店でミネラルウォーターを買う。
ミネラルウォーター(1.5L)Rs.20(約70円)。
いつものように飲み口を下に、底の部分を持って歩いていると、ボトルの口からポタポタと水が垂れている。良く見るとキャップが緩んでいるようだ。水を詰め替えたのかもしれないと思い、見つけたゴミ箱に捨てて仕舞った。

海岸に近いところにある、小さなTOURIST OIFFICEに行き、トリヴァンドラム(TRINANDRUM)までのBUSの運行状況を聞いてみる。
「Is there a Bus to TRINANDRUM?」「Yes.」と。「I't need transfer?」と聞くと、「Direct」がありBUS STANDから出ると。
トリヴァンドラムまでは87Km、約2時間30分位掛かるらしい。
Time Table は、14:00、15:00、17:45、19:00だと。だいたい1時間措きの様だ。Free Mapを貰おうとするが、有料だと言う。一瞬「えっ?」と思ったが、買う。地図Rs.5(約18円)。

カニャークマリのRs.5の地図


<ジョンたちとヴィヴュカーナンダ岩に行く>
カニャークマリ(ケープ・コモリンCape Comorin)の岬の先端に行く。
と言うことは、此処は逆三角形の様な形の広大なインド亜大陸の先端と言うことだ。
陽が昇って陽光がきらめく中、打ち寄せるインド洋の波は薄いエメラルドグリーンの透き通った水だ。
朝日を拝みに来ていた多くの巡礼者はおおかた引き上げた後だったが、階段状になったガート(Bathing Ghat)にはカラフルなサリー姿の女性や、シャルワール・カミーズやシャツにズボン姿の男性など老若男女が波の打ち寄せる水辺に集まっている。

岬の先のガート

海の上に、ヴィヴュカーナンダ岩と、詩人ティルヴァルヴァルの制作中の巨大な像の岩の2つが見える。

ガートの周囲はベンガル湾、インド洋、アラビア海の海

せっかくなので記念すべきこの場所で写真を撮って貰いたいと、声を掛けたのがジョン・キーで、巡礼に来たと言う。
鼻の下に口髭を生やして、白と緑の格子柄のシャツを着た清潔感のあるハンサムな若い男性で、白いシャツ姿の友人と一緒だった。
マドラス(チェンナイ)でサザン・レイルウェイ(Southern Railway)のA/Cコーチの車掌をしているという。
「I traveled ftom Chennai to Madurai on the Southren Railway Express.」私もあのExpressに乗って、チェンナイからマドゥライまで移動したんだと言って、親しくなった。

彼が、直ぐ先の沖に見えるヴィヴュカーナンダ岩(Vivekananda Rock)がここでは一番有名なんだと教えてくれる。それなら「Would you lile to go with me?」と言って、一緒に行かないかと私から誘い、彼の友達と三人で島に渡ることになった。

岩(島?)はガートの少し先にあるが、フェリー乗り場は少し戻った海岸の岩場にある。
フェリー乗り場の桟橋から見ても、薄い緑色の水は驚くほど澄んでいて海底が見える様だが、波が高く、上下に大きく揺れる旧いボートに飛び移る様にして乗りんだ。
フェリー代は、Rs.6×3人=Rs.18(約63円)。
ヴィヴュカーナンダ岩記念寺院の入場料Rs6×3人=Rs18(約63円)。

フェリーの乗船券

ヴィヴュカーナンダ島、および記念の入場券

波で大きく揺れたが、フェリーはあっという間に到着した。
ここには聖者ヴィヴュカーナンダの記念堂があり、岩全体が聖地なので、上陸して直ぐ靴を脱いで入る。
19世紀末のヒンドゥー教の宗教改革者、ヴィヴュカーナンダが瞑想に入ったという岩の上に記念堂が建てられている。
階段の両脇には、黒い象の彫刻が立っている。
記念堂に隣接してヒンドゥー教の礼拝堂である「マンダパ」(Mandapa)や、聖堂「ガルバクリハ」(Garbhagriha)が建って居る。

聖者ヴィヴュカーナンダの記念堂前で、ジョンと友人

ジョンの友人と一緒に海の前で

記念堂に参拝して周囲を見渡すと、南の陽光に照らされて、どこまでも青く美しい海が広がっている。ここなら相応しいかなぁ。
暫く島を歩きまわった後、私は彼等にカメラのフィルムケースに入れて持ち歩いていた小さな骨を見せ、美しいこの場所で散華したいと告げると、島のあちこちを探してくれたが、島の周囲は岩場に阻まれて、放擲しても海まで届く良い場所がない。

それならと、帰りの揺れるフェリーの船べりから、インド亜大陸の最南端の、吸い込まれそうな深いエメラルドグリーンの海に、小さな骨を1つ散華した。