<23日目ー1>
2018年 6月5日 火曜日 シラク―サ晴れ 暑い。
<ネアポリス考古学公園に行こうかと出掛けたが>
昼間は暑いが、日が沈むと、特に朝方はブランケットを掛けるほど涼しい。
一階のダイニングで朝食。
今朝はトーストにサラミとチーズを挟んで、押しつぶして焼いたホットサンド。チョコレートクリームの入った大きな甘いクロワッサン、ジュース、カフェ・アメリカーナ、茹で卵、メロン、チェリー。
またiPhoneに危険情報。6月7日、8日にイタリア全土でストライキ。
6月8日はパレルモ(Palermo)からローマ(Roma)に、トレニタリア(Trenitalia)で移動する日だ。う〜ん、言葉がない。回避されることを祈るしかない。
Facebookに息子の嫁さんが孫娘の画像をアップしている。可愛い。早く会いたくなる。
シャワーして上半身裸で休んでいると、外で人影が。
上側だけ開け放した扉から、屋上を掃除するダイニングに居た女性が顔を覗かせて、Wi-Fiはどうだと声を掛けてくる。
昨日帰った時、レセプションに居た彼女に、言おう言おうと思ってGoogle翻訳で調べていた英語で、「My room, The Wi-Fi signal is week. 部屋のWi-Fiの電波が弱い」と言ったのだ。そうしたら「ロビーで使ってよ」みたいなことを言われて、あっさりかわされていた。
しかしそう言われれば、さっきから使っているWi-Fiは昨日より早くなっている様な気がする。直してくれたのかな。「goodだよ」と言うと、そうかとにっこりして居た。
10:30ごろホテルを出て、駅傍のバス・ターミナルに向かう。
Google Mapだと15分くらいだ。でも陽射しの強い中で歩くのはなかなか大変だ。大きなロータリーを2つ越すが、交通量が多いので渡るのに苦労する。明日は荷物を担いで行くが、朝方はまだ涼しいだろうか。
バス・ターミナルに着いて、既に数人の列が出来ている掘っ建て小屋の様な「Inter Bus」のブースに行き、列の後ろに着く。
私の番が来て、紙に書いた「6、JUN. Siracusa → Palermo 9:00」を見せ、「Can I buy a ticket?」 と聞くと、ブースの奥の女性が、無愛想に「No,tomorrow」 と。
やはりパレルモ(Plermo)行きバスの切符は、当日分しか売っていないのだ。
今度は市内バスで、ギリシア・ローマ時代の遺跡が残る北のネアポリス考古学公園(Parco Archeologico della Neapolis)に行ってみよう。
もともとシラク―サSiracusaは、シチリア島最大のギリシアの植民都市。アルキメデスの出身地でもあり、対ローマ軍との戦いでも新兵器を考え出して活躍したところだ。当時島の西側はカルタゴの植民地、東側はシラク―サの支配下で、栄華を誇った頃の遺跡が残っているらしい。
フェルマータ(停留所)に市内バスが2台駐車している。どちらも運転手はまだ居ない。前の方に停まっているバスを覗き込み、座っているおじいさんに地図でネアポリス考古学公園を指して、「Does this bus go to there ? このバスは此処に行くか」聞く。すると頷いてくれた。良かったと思い、席もおじいさんの近くに座る。
しばらくすると運転手が席に着いたので、行って「Can I have a birietto? ビリエットbirietto切符を下さい」と言うと、此処じゃない、あっちで買って来いとイタリア語で言い、さっきのブースの方を指差す。
仕方ないので降りて行きかけると、鞄を下げたおじさんが呼び止め、バスのステップの下の道路を指さした。
そこにはさっきInter Busのチケットブースで出したメモ紙が落ちて居た。私が車内で切符を買おうとお金を出したとき一緒に出てしまったものらしい。私はいつも、当座使うお金はズボンのポケットに入れていた。
慌てて拾って「grazie!」とお礼を言うと、「birietto?」かと聞く。それなら私が売ってるぞと。おじさんは後ろのバスの扉を開けたので、追いかけて行って、「1day pass」を買う。2.5€(約340円)だ。
地図のネアポリス考古学公園を指し、乗るバスもこのバスで良いのか聞くと、前のバスを指す。「grazie.」とお礼を言って、また前のバスに乗る。
刻印機(Obliteratrice)でティンブラーレ(timbrare刻印)したあと、さっきのおじいさんの側に坐り直す。おじいさんも見ていたのか、良かったなぁと笑顔だった。
バスが出発してメインストリートのジェローネ大通り(Corso Gelone)を北に向かって行く。次第に緑が多い地区に差し掛かったら、おじいさんが次がそうだと手まねで教えてくれ、バスの降車ボタンを押してくれた。
バスが停まり、頷くおじいさんに「grazie!」と言ってバスを降りた。