<旅の準備ー1>
<注記>
これは、1997年に行った旅行の記録です。
地名の表記などは現在と異なっていますが、あえて旅行当時のままにしてあります。
記載内容の事実誤認や誤謬は、全て筆者の勉強不足であり、他意はありません。
<旅の準備>
「インドって大丈夫でしょうか?」
窓口に出てくれた男性に、最初にそう聞いた様な気がする。
インドに行ってみようと思い始めて、最初にガイドブック「地球の歩き方 インド‘92~93版」(ダイヤモンド社)を買った。ちょっと旧いが、行った本屋にはこれしかなかった。需要が少ないので、新版を入れていないのかもしれない。
表紙には「インド世界を1日1,500円以内で、ホテルなどの予約なしで鉄道とバスを使って旅する人の入門ガイド」と書いてあった。
本の内容は殆ど読まない裡に、その本の中に広告を出していた新宿の旅行代理店に電話して、休みのとれた最初の日に西新宿のオフィスに出向いた。
海外へのひとり旅は、今年3月に行った6日間の韓国旅行を含めて、今回が2回目だ。
初めてのインド。あえて助走無しに、いきなりジャンプしたっていう感じだ。
<旅行の日程と時期>
会社で休みを取れる期間は限られている。
地図を広げて見てもインドは広いので、今回だけの旅行で行かれる範囲も限られている。そこで今回は北部のインドだけを廻ってみることにした。それでも試算したら、最低でも2週間はかかる。
そこで今回取れた(取った?)休暇は、13日間。
会社は年度ごと、年に1回有給で5日間の連休がある。海外に旅行する人は、これに前後の土日を付けて9連休にしたりする。しかし私は、今回無理を言って、これにあと4日間の有給を付けた。
これが5日間だったら、前後の土日を入れて連続16日間の休みとなってしまい、流石に会社には通らないし同僚たちにも迷惑が掛かるので、ワザと1日減らして体裁を取り繕った(笑)。
旅行の時期だが、ガイドブックではインド旅行のベストシーズンは、「乾季」に当たる11月~2月ごろと書いてあった。北インドでも、首都のデリーと東部のカルカッタのあるベンガル地方では気候も気温も違うらしいが、概ねベストシーズンは「乾季」というのは一致している。
いわゆる「インド放浪」の様な旅行(旅?)では、ガイドブックで「観光は避けた方が良いと」されている、気温40℃にもなる「暑季」や、大雨や湿度90%になる「雨季」もインドらしいとされているが、初めからそこまで背負い込む必要も無いだろう。何より「ひとり旅」初心者には、荷が勝ち過ぎだ。
結局、前回の韓国旅行が年度末の3月だったので、年度も変わり、会社も余り繁忙期でない11月に行くことにした。
<航空券などの手配>
旅行の行程は、初め成田→デリー(DELHI)→カルカッタ(CALCUTTA)→プリー(PURI)→カルカッタ(CALCUTTA)→成田のルートを考えていた。
どの本を見ても、カルカッタは普通の観光旅行者には評判が良くない。
植民地時代、1911年デリーに移るまではイギリス領インド帝国の首都だったところだ。
見どころが無いという意味じゃなく、余りにも日本社会とのカルチャーギャップが大き過ぎて、あるガイドブックでは、初めてカルカッタに降り立った人が街に出られず、結局カルカッタを出るまでずっとホテルに籠ったままだったというエピソードを載せていた。
私も疑心暗鬼ではあったが、やはり旅の最初は、その国の首都で、如何にインドでも他の国と似たような都市環境だろうニューデリーから始めようと思っていた。
またプリー(PURI)を入れたのは、サリーを着て頭に甕の様なものを載せた女性が波打ち際を歩く写真がガイドブックに載っていたので、喧噪の大都市ばかりでなく、のんびりしたリゾート地で息抜きしながらの旅行の方が良いかなと、日程に加えたのだ。
プリー(PURI)は、カルカッタからずっと南下したベンガル湾沿いの町だ。
しかしこの行程を実際に申し入れてみると、西新宿の旅行代理店の人が、バンコク経由カルカッタ行きの航空券が安いというので、ちょっと悩んだが、結局安さに負けて、ルートを逆にして「カルカッタ(CALCUTTA)インのデリー(DELHI)アウト」で、往路の到着地と復路の出発地が異なる「オープンジョー」の航空券を購入することになった。
航空会社は、エア・インディアAir India。インドの航空会社だ。
11月12日(水) 便名AI「1305」 出発は成田空港(NRT)12:00、到着はカルカッタ(CCU)19:05。
11月22日(土) 便名AI「1308」 出発はデリー(DEL)21:30、到着は成田空港(NRT)23日の8:00。
「NRT」や「CCU」は、国際航空運送協会(IATA)が決めた、世界の空港の3レターコードらしい。
値段は、¥98,000円だった。
カルカッタでの最初の1泊目のホテルも予約。
これは韓国旅行で、到着日、まだ陽のあるうちに着けた釜山の町でも、ガイドブックから目星を付けておいた旅館に実際に泊まるまでにはいろいろあったのに、今回のカルカッタでは到着が夜になる。さすがにこれは怖かったためだ。
空港からホテルまでの送迎付きにした。
次に、インド国内ではなるべく自由に行動したいが、日程が限られているので、出だしの「カルカッタ(CALCUTTA)→プリー(PURI)」間の夜行列車のチケットも依頼した。
列車は、「8007 HOWRAH – PURI Exp. A.C.2tier―Sleeper」(エアコン付2等寝台)」 6,000円。
「ハウラー HOWRAH」とは、カルカッタの最寄りの鉄道駅らしい。
そしてプリー以後の宿泊や移動は自分で手配しながら旅行を続け、何とかデリーまで辿り着くことにして、日本を出発する予定だ。
でも、どうなることやら(笑)。