<4日目ー2>
1997年11月15日 土曜日 プリ―(PURI) 晴れ
インド4日目に早くも始まった下痢で、熱っぽく体調が悪くなってきた。宿を変えようと、宛てにしていた中級ホテル「PURI Hotel」に行ってみたが、上手く行かず、サイクルリキシャの上で焦って来ていた。
<Hotel Nilachal Ashokに泊まる>
私を乗せたサイクルリキシャが、「Hotel Nilachal Ashok」の門を潜る。
広い庭を大きく迂回して建物の車寄せに着く。私の顔を見て、昨日のセキュリティがニヤリと笑った。
レセプションで、上等そうなサリーを着た年配の女性に、「Can I get a room for tonight?」と聞く。逆に幾らの部屋がいいかと聞かれた。相場が判らないので、一寸無理かとは思ったがRs500と云ったら、苦笑いされてしまった。
結局1泊Rs.2000(約7000円)の部屋にした。BreakfastとDinnerの2食付きだ。15日、16日まで2泊することにした。
Check inとcheck out Timeは同時刻のAM8:00。何処も一緒だ。これは安宿だけでなくプリー界隈のHotelの決まりなのかも知れない。
「Do you need a deposit?」と聞くと、必要だとのこと。
「Do you accept traveler's checks?」と、トラベラーズチェックで良いか聞くと、大丈夫だったのでトラベラーズチェックでUS$100を出す。Rs3,615になる。
部屋は「Room No.120」。広いツインの部屋だった。
シックな青み掛かった織物のベッドカバーが掛けられた2つのベッドと、椅子とテーブルにソファまである。
厚いカーテンの掛かった窓からは、綺麗に手入れされた広い裏庭が見えたが、海は見えない。
出来るだけ倹約した旅行をと考えていたのに、まさかいきなりこんな高級ホテルに泊まることになろうとは。不思議な気持ちだ。
AM10:30、レセプションで貰った最初のmeal couponで、下のレストランで遅い朝食を摂る。
トーストとオムレツに、トマトと胡瓜を切った野菜サラダ。これは料金にincludedだ。
<プリ―駅でデリーへの鉄道チケットをとろうとするが>
外に出て、ホテルの外でサイクルリキシャを拾い、先程行こうとした「State Bank of India ,near Seaside」へ行く。
しかし明日が日曜日だからか、店内は両替する外国人が一杯で、直ぐには両替できそうもない。手持ちのルピーはRs.500位しかない。
再び同じリキシャでPURI駅に行く。先にプリーから次の目的地、デリーに向かう列車を予約しておこうと思ったのだ。
白い建物の駅舎に向かうと、駅前の雑踏の中から3人くらいの子供が、私に向かって「ジャパニ、ジャパニ」と呼びかける。別に嘲ったり非難している様子ではなく、単に遊びで囃子ているだけなんだろう。
でも同じような顔つきでもっと人数は多いはずの「China」でなく、何故「ジャパニ」なんだろうと不思議だ。
駅の構内に入っていくと案の定大混雑で、チケットの売場窓口にはお客が殺到している。しかし駅が小さい分、チケットの窓口は直ぐ分かって良かった。
一番左の窓口に何となく出来ているラインに並んで待つ。
どういう訳か、時としてラインの人より横から入って来た人が長々と窓口を占領して、なかなか進まない。しかし並んで待つ人の誰一人、割り込んだ人を非難する様な素振りもないので、仕方ない。
ようやく順番が来た。
「I `d like to reserve ….」と言いながら、予め紙に書いて来たデリーDELHI行き列車のメモを見せる。
昨日の晩、日本の旅行代理店で貰った「TRAINS AT A GLANCE」(インド国鉄の時刻表)で調べたのだ。
明後日17日発の「Rajdhani Exp. BBSR to New Delhi, Ⅱclass A.C.2tier―Sleeper」(ラージダニExp. エアコン付2等寝台)。これはプリ―発ではなく、ブバネーシュワル(BBSR)発だ。しかし、にべもなく「No.」と。
2番目は、17日AM.9:05発「2815 Puri-New Delhi Exp. Ⅱclass A.C.2tier―Sleeper」、これも「No.」。
3番目は、18日PM.17:00発の同じ急行。これも「No.」だ。
デリー行きが無いのなら、仕方なく今度は来たばかりのカルカッタHowrah行きの「A/C 2-tier Sleeper」も聞くが、窓口のサリーを着た女性は首を横に振るばかりだ。
その態度は、外国人だから優遇しようなどと言う考えは微塵もない公平さだった(笑)。
しかし、駅に行けば簡単に買えると思っていたが、チケットをとるのがこんなにも大変だとは。何か目の前に、押しても動かない高い壁が立ちふさがっている様な気がする。
再び待って居たサイクルリキシャに乗って、先程混雑していた「near Seaside」店とは違う、Grand Rd.にある別の「State Bank」に行ってみる。
しかし此処では、外貨の両替はしていないと言われてしまった。
仕方ない、やはりあのnear seasideじゃ無ければダメなのか。小賢しく穴場を狙っても、駄目と言う訳だなァ。
本当に今日は、体調もダメ、宿もダメ、切符も、両替もダメ。八方塞がりだなァ。
ホテルに帰る途中、サイクルリキシャを停めて貰って、露店でオレンジ色のルンギー(Lungi)をRs60(約210円)で買う。ルンギーはリキシャワーラーなどがズボンの代わりに下半身に巻くスカートの様な伝統衣装で、別に縫製してある訳ではなく、ただの木綿の布だ。
実は下痢で、頻繁に下着を変えざるを得なくなっているので、次第に着るものがなくなってきたのだ。
ホテルの前でサイクルリキシャを降りる。此処までで代金はRs 5(約18円)だった。
夕方レセプションでDinnerのmeal couponを貰うとき、両替をする。
トラベラーズチェック$50で、Rs.1807。
ランドリーも依頼する。いままで着続けてきた青いシャツ、ティーシャツ×2枚、下着のパンツ2枚、タオル1枚だ。
次いで、試しに「I want to go to Delhi. Can you take a ticket? 」と聞いてみた。
するといつのticketだと言うので、明後日のと。
すると夜になって、部屋にHotelの従業員が友人だと言うエージェントと来て、「プリー to デリー」は無いと。
「Puri – Howrah Exp.」の17/Nov. Deparcer 18:30の「1st Class A/C 2tier―Sleeper」なら取れると。
幾らだと聞くと、Rs1400(約4900円)と。随分高いと思った。
でも来るとき乗った同じ列車の「Ⅱclass A.C.2tier―Sleeper」(エアコン付2等寝台)」 は、日本で旅行代理店に手配して貰って¥6.000円だった。実際の運賃はいくらだったのか、よく見もしないで乗って仕舞ったので分からない。
仕方ない。購入を依頼する。とにかくこのプリーから、次の目的地への一歩を踏み出さなければ。