歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

トルコからギリシア、イタリアへひとり旅(2018年) <29> まだ17日目 ピルゴスで道に迷う!!でも、なんとかパトラPatraに着いたァ。

<17日目ー2>

2018年 5月30日 水曜日 快晴  ピルゴスは32度。暑い。パトラも暑い。

<ピルゴスで道に迷う!!>

オリンピアからピルゴスへバスで移動中、終点のピルゴスのバス・ターミナルに到着したと思って慌ててバスを降りた。
でも、どうやら此処はピルゴスのバス・ターミナルではなく、多分ピルゴスの街中に降りてしまった様だ。そう気付く間もなく、バスは走り去ってしまった。

慌てて肩から斜め掛けしたウエストポーチから仕舞ってあったiPhoneを出し、Google Mapを起動する。しかし、日差しが強く液晶が良く見えない。商店の前の日除けテントの下に移動し、画面のピルゴスの地図の中でバス・ターミナルを探すが、地図自体がギリシア文字の表記なので全く分からない!
検索で「BUS terminal」を入れてもヒットしない。似た様な表記を捜すが、ギリシア語でバス・ターミナルって何て言うんだろう?つい声に出して言ってしまう。経路を選択しようにも、目的地が見つけられないのだ。

困った。でも、ピルゴスはそれ程大きな街では無い。バス・ターミナルは交通の要衝だから、人に聞けば容易にたどり着けそうな気がする。とにかく行ってみよう。

 

バックパックを背負い、前にはサブザックを肩にかけて歩き出す。久しぶりに背負うと重い。歩く度に前に掛けたサブザックが肩からずり落ちてくるので、手にiPhoneを持って見ながらは歩けない。
途中何人もの人にバス・ターミナルの場所を聞くが、私の発音が悪いのか、英語を解さない人が多いのか、要領を得ない。

陽射しの照りつける中、次第に焦って来た。それらしい方向や建物を目当てに、30分位必死で歩き回る。

ようやく見たような建物があった。期待しながら行ってみると、それは「Pyrgos LLias」と書かれた鉄道の駅で、近くの人に「Does this train go to Patra? この鉄道はパトラに行く?」と聞いたらノーだと。

しかしバス・ターミナルはもっと先だと教えられ、線路に沿って指さされた方に歩く。途中小さなガソリンスタンドがあり、そこでまた教えて貰い、ようやくあの見慣れたバス・ターミナルの建物が見えて来た。あぁ良かった!!
朝の運動かなぁ(笑)、しかし焦った。

カウンターに行ってパトラ行きのチケットを買う。10.6€(約1,430円)。待合室のベンチにバックパックを置き、漸くほっと一息だ。

 

しかし汗を拭きながら、なんでだろう?と改めて思った。
間違ってバス停で降りてしまったと気付いた時、何故ここで次のバスを待とうと思わなかったのだろう?確かにいまこの時まで、一度も脳裏に浮かばなかった!!
とにかく、バス・ターミナルに着かなくちゃ!とばかり思い込んでいた。

オリンピアで乗る時もバス停には時刻表が無かったし、いままで見知った交通事情から、どう見ても此処で次のバスを待っていても、10分や20分で来るとは思えない。30分経っても、いや1時間以上、それ以上待つ羽目になるかもしれない。でもそれすら思い浮かばなかった。それ程焦っていたんだ。
なんでなんだろう?

 

いままでも、外国の街中で道に迷ったことは何回もある(笑)。
インドでも、タイでも、ミャンマーでも、インドネシアでもパキスタンでも迷った。方向音痴なのかなぁ(笑)。
でも、焦りは無かった。多少英語が通じても、私の語学力では無きが如くだ。一番の違いは、私がバックパックを背負って、道端で途方に暮れていたら、まず間違いなくリキシャやオートリキシャ(トクゥトクゥ)、サイカーやバイクタクシーが寄って来てくれる。ぼられたり、わざと行き先を違えて行くことはあっても、何台か乗り継げば目的地には着けた。重い荷物を背負って、そこらじゅうを歩き廻るなんてことは無い。

その感覚が残っているので、それとは全然違うここの環境に出くわして、我を忘れて仕舞ったのかなぁ。
しかしピルゴスの街では、ヒオス島で走っていたギリシアの赤いタクシーすら見なかった。

ようやく見慣れたピルゴスのバス・ターミナルの建物が見えた。

ピルゴスからパトラへの切符

11:15パトラ行きバスが出発。
途中沢山のバス停で乗り降りを繰り返して、次第にコリンティアコス湾が見えてくる。
13:30頃、海沿いのパトラのバス・ターミナルに到着。大きなターミナルではなく、海岸とAgiou Andreou道路の間の空き地にバスが何台も押し込まれているようなところだ。

 

<ようやく港町パトラに着いた>
パトラ(Patra)はペロポネソス半島最大、ギリシア第3の大都会だ。コリンティアコス湾に面した港湾都市なので、暑いが海風が吹くと気持ち良い。
それでもバックパックを背負って、Agiou Andreou通りの坂道を約10分登って来ると、ショッピング街の中にあるホテルに着くころには汗が噴き出してきた。

ホテル・メディテラネ(Mediterranee Hotel)にチェックイン。
街の中心にあり、歩行者専用で左右にブティックやカフェの建ち並ぶアギウ・ニコラウ(Agiou Nikolaou)通りに面している、6階建ての近代的な建物だ。
レセプションで無愛想な中年の女性に、前払で38.5€(約5,200円)、クレジットカードで払う。
409号の部屋までエレベーターを使うが、扉がまるでドアのような外観で、初めこれがエレベーターとは気づかなかった。
ホテルの外観は立派だが、部屋は簡素。シングルベッドが2つくっ付いているベッドの他、壁にギリシアらしい女性の水彩画が飾ってあるだけだ。

ホテル・メディテラネの409号室 簡素な部屋だ。

部屋で唯一の装飾の水彩画

お腹が空いていたので、通りを歩いてサンドイッチ2€(約270円)、カプチーノ1.5€(約200円)を買う。そこで食べようかと思ったが、大きくて硬いので持ち帰る。途中、ペリープテロで水1.5Lを買う。1€(約135円)と。高い‼︎
暑いのでエアコンをつけるが、次第に汗をかいた身体が寒くなる。
エアコンを止め、シャツを着替える。ここで風邪を引くわけにはいかない!
サンドイッチを食べる。胡麻の掛ったバゲットにハム、チーズ、レタスが挟んであり、硬い。ゆっくり噛みながら時間をかけて食べる。
体調があまり良くない。

歯を磨いてシャワーする。
長い旅行で一番怖いのは体調不良だ。
もう夜の8時だが外はまだ明るい。
ホテルは繁華街の中にあるので、通りで騒いでいる声が唸りのように響いている。
身体が弱っているからか、ようやく空腹になってきたからか、これから向かう世界がエネルギーの渦巻くあの唸りの様な世界かと思うと、何か怖くなってくる。