歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

ミャンマーひとり旅(2017年) <57> 14日目 マンダレーからバガンへ、VIPバスの旅のハズがぁ!!

14日目ー1
2017年 6月4日 日曜日 マンダレーは晴れ 暑い。朝から27度。

<マンダレーのGHをチェックアウト>

4:00起床。
荷物をバックパックにパッキングして、朝食は摂れないまま、5:45チェックアウト。
レセプションは例の男性で相変わらず無愛想だったが、意外にも記録を調べもせず、部屋のキーを受け取った。
私はポケットに、宿代の領収書を入れて待ち構えて居たのに、拍子抜けだ。
3日前、このゲストハウスに投宿した時、3日間の宿代を現金で前払いしたが、その時は領収書を受け取るのを忘れて仕舞っていて、昨日慌てて領収書を発行して貰っていたのだ。
そのことを、レセプションの女性から聞かされて居たのかも知れない。

実は一昨夜、iPadでインターネットを開いて、マンダレー旅行のブログを読んでいたら、あるホテルでの記事が載っていた。
ある女性の旅行者が、チェックインの時1日分の宿泊費をデポジットで払ったが、受取を貰わずにいた。翌日もう一泊してチェックアウトする時、ホテルから2日分の宿泊費を請求されたと。
既に1泊分払い済みだと言っても領収書が無く言い合いになり、一泊分だけ払って、「隣の××GHに泊まっているから、まだ1泊分足りなければ取りに来い」と言って宿を代わったと。
××の隣って、何処??思わずGoogleMapで検索してしまった。

でも、自分のいるホテル(ゲストハウス)だって、起き得ることじゃ無いか?!
実は私も6月1日にチェックインした時、3日分US$81ドルを払ったが、領収書を貰っていなかったのだ!!
ミャンマーで私の泊まるクラスのホテルは、原則前金制だ。しかし今回はうっかりしてデポジットの受取も貰っていなかった。

今朝は6:30出発のバスなので、私がデポジットの支払いをしたレセプションの女性は未だ出て来ていないだろう。いつも朝は、あの男性だ。
私の場合、払った、いや未だだの言い合いになれば、バスに乗り遅れる。そんな旅行者の足元を見て、もう一度81ドルを取ってやろうと思うかも知れない。単にレセプションのメンバーの間で意思疎通が出来ていないということだけで無く、だんだんあの男には悪意が感じられる様になって来ていたのだ。

でも、私の考えすぎ、老人の疑り過ぎだったのかもしれないなぁ。
ダイニングに置かれたミニバーから出した、ミネラルウォーター3本分、1,200Ks(約96円)分だけ支払った。


<マンダレーからバガンへ、バスで移動するゾー!!>

6:00丁度に、トラックの荷台にベンチを付けた「ピックアップ」が迎えに来る。今日乗るバスは、ピックアップ付きのVIPバスだ。
荷台には私1人だけ乗って、朝の街を走る。風がまだ涼しい。マンダレーの街って、こんなに爽やかだったっけ ⁈
日曜日の早朝だが、王宮のお堀の前は、意外にもウォーキングする人が多い。揃いのティーシャツで、エアロビクスをする女性達もいる。
ベトナムのホーチミン市(旧サイゴン)やカンボジアのシェムリアップ(SiemReap)などの朝の風景を思い出して、何処も同じだなぁと思う反面、まだ貧し気な家内工場が続くホテル周辺の街並みから想像していたマンダレーの印象とは違和感がある。朝からエアロビをする様な人は、昼間の街の何処に居たんだろう?
途中寄った小さなホテルで、バックパックを持った3人の若い欧米人女性をピックアップする。

ピックアップの荷台

着いたのは、マンダレーの南にある長距離バスターミナル(Chan Mya Shwe Pyi Highway Station)だ。何台もの大型バスと、ミニバスがところ狭しと並んでいる。
乗るのはどの大型バスかと周りを見渡しながら思っていると、乗って来たピックアップが横付けしたのは、なんと「Moe Thauk Htun Express」と言う会社の、乗客は10人位のちょっと古びた黄色のミニバスだった。
ナイロンホテルで依頼したのは、10,000ks (約800円)もするVIPバスだった筈なので、がっかりした。
でもホテルからのピックアップがあって便利だったし、乗客が少ないだろうから2座席分使えるかぁ。
後ろの荷室に入れるためバックパックを預け、車内に乗り込む。シートナンバーは「7」だ。私の前が、同じピックアップで来た欧米人女性の3人組だった。外国人は我々だけの様だ。

マンダレーのバスターミナル

VIPバスのチケット バスは左上に描かれたようなミニバス


<これ、VIPバスの旅?>
6:30、流石にミニバスとは言えVIPバスなので、空席を残したままバス発車。
出ると黄色いシャツにロンジー姿の助手が、ミネラルウォーターのボトルを配る。普通のVIPバスならこの後軽食だ。朝早くてホテルの朝食が摂れなかったので期待したが、出てこなかった。
走り始めて直ぐに、キュル、キュル、キューとエンジンルームからベルトの滑る音が出始める。鳴ったり鳴らなかったりを繰り返えしている。
ファンベルトかエアコンベルトの音かなと思っていると、ドライバーが助手に頻りに何か言い、助手はスマホで何処かへ連絡している。
エンジンをかけ初めて直ぐにベルトが鳴きだすのだから、多分前からこの状態だったのだろう。しかも鳴いたり鳴かなかったりだから、ベルト自体ではないのかも知れない。

7:30、Yangon-Mandalay Hwyを南下して、3日前にヤンゴンから到着したマンダレー国際空港までも行かないうちに停まった。
ドライバーが、室内の運転席横のエンジンフードを開け、細いバールのようなものを差し込んで何やら作業している。鳴いていたベルトを張っている様だ。
キャブオーバータイプなので、エンジンは運転席と助手席の真ん中に縦置きでおかれているはずだ。
ドライバーは、鳴いているのがエアコンのベルトと思ったのか、エアコンを付けたり消したりする。エアコンが停まると乗客は一斉に窓を開けるが、途端に熱気が吹き込んで来て、暑くて堪らない。

<HIGERという中国製のミニバスが、まさかの故障?!>
このバスはHIGERと言う中国製のミニバスだ。確かモウラミャインからヤンゴン迄来た時の大型バスもHIGER製だった。中国の蘇州に拠点のあるバスやコーチの専門メーカーで、1998年創立と新しいが、いま中国ではバスのトップメーカーで輸出も多いらしい。ミャンマーでも頻繁に見かけるバスだ。

しばらくして、ようやく走り出した。
バスはマンダレーからYangon-Mandalay Hwyを南下してきたが、マンダレー国際空港を過ぎ、ミッタ(Myittha)の近くで右に曲がり、GoogleMapで見ると、今度はNH2という街道を西に向かっている。
しかし、このバスは明らかに故障中なのにも拘わらず、通過する町や村の市場やバス停の前で速度を落とすと、助手が車体横のドアから身を乗り出して「ニャウンウー!ニャウンウー!(Nyaung Oo)」と連呼して呼び込みを続け、客を拾って行く。
ニャウンウーは、バガン遺跡への入口の町だ。私も宿はニャウンウーで取っている。

親子ずれや男性2人、女性などミャンマー人の客が次々に乗り込んで来て、遂に満席になった。
私はニャウンウーまで10,000ks(約800円)払ったが、一体彼らには幾らと言っているのだろう。然し外国人だからか、私の横には遂に誰も座らなかった。

9:30 、ミンジャン(旧ミンギャン Myingyan)近くのガソリンスタンドでトイレ休憩。
ミンジャンはエーヤワディー河(旧イラワジ河)とチンドウィン河の合流地点から少し北にある町で、ここも第二次大戦中、1944年(昭和19年)12月から1945年(昭和20年)3月に掛けて日本軍と連合国軍との間で戦われた「イラワジ会戦」の戦場だった場所だ。

私はホテルを出てから3時間半、ようやくトイレに行かれてホッとした。年を取ると一番の心配はトイレが近くなることだが、良く今まで我慢できた。朝から水分を殆ど取っていないからかな。

ミンジャンの町

ミンジャンの街でバスは左折して、ニャウンウー=ミンジャン・ロード(NyaungU-Myingyan Rd.)を走る様になった。これはエーヤワディー河と並行して走っている道路だ。
10:00になると、街道沿いのニッパ椰子で拭いた様な食堂前で停車。20分休憩だと。
さっきトイレ休憩をとったばかりと思ったが、エンジンを止めた車内は蒸し風呂の様に暑い。

イラワジ河と並行して走る街道

街道脇の食堂前で臨時停車 乗客はみんな日陰にいる

殆どの乗客が外に出て、前の店に入ったり、車の陰で陽射しを避けていた。
私も降りて見ると、先程助手が掛けていた電話で呼んだらしい修理の若者が、オートバイで駆けつけて来たところだった。
後席に乗っていた若者の手には、剥き出しのメガネレンチやスパナなどの工具が2、3本と、反対の手に取替部品らしい箱を持っている。

若者の一人が、車両の前方から下に潜って作業を始めた。エアコンのベルト取替えだけなら車内からも出来そうな気がするが、多分違う作業なんだろう。
日本製のエンジンなら構造もなんとなく想像できるが、中国製のバスだとどんなエンジンが載っているのか。「Yuchai」なんていうエンジンなんだろうか。
暫らくすると、下に潜っていた若者が、ブラケットの付いたままのアイドルプーリーを外に放った。

アイドルプーリーはベルトを適正に張っておくための部品だが、先程来からベルトが鳴っていた原因は、ベルト自体ではなく、プーリーのベアリングが焼き付いているのかも知れない。しかし走り出して直ぐにベルトが鳴き出しているのに、今まで整備はしなかったのだろうか。
取出したプーリーを、今度はドライバーがブラケットから外して、持って来た新品の部品と付け替えているが、六角レンチをスパナで叩いたりしている。こんな作業で大丈夫なんだろうか⁈

バスの前で、応急修理中