歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

トルコからギリシア、イタリアへひとり旅(2018年) <50> まだ27日目 ローマROMAを歩く。ミケランジェロはお好き?

<27日目ー2>

2018年 6月9日 土曜日 ローマは晴れ 暑い。26度。

 

<早速ローマを歩く>

今朝、長躯夜行列車でシチリアからローマに到着した。ホテルで温かいシャワーを浴びると、生き返った様だ。同時にお腹が減ったぁ。

ホテル前のミラッツォ通りを、レセプションの女性に教えて貰ったランドリーを探しながら歩く。マジェンタ通り(ViaMagenta)との交差点で左を見ると、なんと中華料理店の看板を発見。「新金州酒家」と書かれている。

早速入ってみる。
割と大きな店で、テーブルも多く、テーブルには白いクロスが掛かっている。欧米人の客も2組位いる。
高そうかなと思ったが、白いシャツに黒いスカート、何故か高いブーツを履いた小柄な若い中国人の女性が持ってきたメニューを見る。イタリア語と英語の他に中国語の表記があって、漢字なので凡その内容が分かる。
中に日替わりのセットメニューがある。今日は炒飯、豚肉と筍の醤油炒め、春巻2本。これで6.5€(約880円)。
良いね。今までに無いお手頃価格だ。
それにご飯と醬油味の炒め物なんて、聞くだけで涎が出そうだ。でもビールも飲まない客がこのセットメニューだけでは申し訳ないかなと、スプライト1.4€(約190円)も追加で注文する。

スプライトを飲んで居ると、入口のドアを開けて急に中国人の団体客が入って来た。はじめ5、6人かなと思ったら、次々と入って来て総勢20人以上はいただろう。たちまち甲高い声のお喋りで、店内は賑やかになった。添乗員の様な人が、色々説明をしている間にも、先程のウェイトレスの人に注文を始めている。
比較的大きな店でテーブル数もあったので、定食みたいなものだけでやって行かれるのかと不思議に思っていたが、どうもここは中国人団体客御用達の店だった様だ。

しかし料理は美味しかった。ブリンディシBrindisiで久しぶりに食べた中華は10€以上したけれど、こちらの方が遥かに美味しい。やはりローマはいろんな国の人が多いからかもしれない。

テルミニ近くの中華料理店

お腹がいっぱいになったので、レセプションで教えて貰ったランドリーを探しに行く。中華料理店を出て元のミラッツォ通りを少し行くと、ガラス戸に「LAUNDRY」と書かれた店が見つかった。

イタリアの商店は石造りの建物の中にあるものが多く、石の柱も太いので、歩きながら前方を見ても柱に隠れて何屋さんか分からない。正面に立って初めて看板や店構えで何屋さんか分かる。
私が覗き込むと、インド系の男性3人が胡散臭そうに私を見返す。
確かにランドリーの様だ。
明日、出しに来てみよう。

 

<ミケランジェロはお好き?>

ようやく着いたローマだ。堪能したいと思うが、今日はまだ着いたばかり。ちょっと足馴らしに街を歩いてみようと、テルミニ駅を出てからカヴ―ル通り(VIA Cavour)を、コロッセオに向けて南西に歩く。

実はホテルを出るとき、レセプションの綺麗な女性に「Can I walk to Colosseo from here? コロッセオまで歩いて行かれる?」と聞いたのだ。すると彼女は流暢な英語で「Of course,・・・・」と、いろいろ説明をしてくれる。私はすまなそうに「My English not good.」と言うと、あらごめんなさいと言う様に、少しゆっくり話してくれた。
理解できた範囲では(笑)、ローマには沢山の素晴らしい建物や美術品がある。地下鉄やバスで動いたら、それらの貴重なものを見落としてしまう。是非歩いて廻ってみてと。

あなたは、ミケランジェロはお好き?
「Of course!もちろん!」
だったら、コロッセオまで歩いて行く途中の教会に、ミケランジェロの有名な作品があるわよ!

 

と言う訳で、テルミニ駅のジョバンニ・ジオリッティ通り(VIA Giovanni Giolitti)側からコロッセオに続くカヴ―ル通り(Via Cavour)を南西に向かって歩いている。
ローマは坂の多い街で、カヴ―ル通りはゆっくりした下り坂だ。陽射しが強い。暑いと言うより、肌に直接当たる痛い様な陽射しだ。

テルミニ駅前からカブール通りを行く

10分位で、二つのクーポラを持つサンタ・マリア・マッジョーレ教会(Basilica Papale di Santa Maria Maggiore)の巨大な伽藍が見えてくる。ここは聖母マリアを祀った教会で、「ローマ七大聖堂Basilica」のひとつらしい。
しかし柵で囲われ、広場の日陰にアフリカ系の若者数人が寝転んで居るだけだ。中には入れない様だ。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会の大伽藍

更に下って行くと、左手からジョバンニ・ランツァ通り(Via Giovanni Lanza)が合流してくる。その場所にメトロB線のカヴ―ル駅(Cavour)駅がある。

なお進むと左手に高い階段(ボルジア階段)があり、観光客が沢山登って行く。何かと思って私も登って見る。すると左手に装飾の少ない旧い建物が見え、「S.Pietro In Vincoli」と書かれたプレートが嵌められている。此処がサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会らしい。

サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会

入ると建物の入口の扉が閉められていて、入口前のピロティに並べられた椅子に欧米人の観光客が座って待っている。今日は土曜日なのでミサが行われていて、終わるのを待って居るのかもしれない。私も空いた椅子に座って待つ。
ホテルのレセプションの女性に教えて貰ったこの教会は、ミケランジェロの彫刻「モーゼ像」のあることで知られている。


15:00少し前になると、突然韓国人の団体がやってきた。みんな服やリュックサックに、揃いで襷掛けの様な太いオレンジ色の紐を付けている。
ピロティに入るや否や、ベンチに腰かけた人の隙間に座りこんだり、床に靴を脱いでその上に腰を下ろしたりしている。

15:00過ぎて漸く建物の小さな扉が開くと、真っ先に押しかけて中に入って行く。
教会の中は余り大きな空間では無いが、韓国人の団体は正面の祭壇でなく右手にあるモーゼ像に殺到し、写真を撮るとまた足早に去って行った。
この教会には、聖ピエトロがエルサレムとローマの獄中で繋がれていた時の鎖が「聖遺物」として祀られており、天蓋の下、ブロンズの祭壇の中に置かれている。

教会の中

聖ピエトロの繋がれたとされる鎖

「モーゼ像」もようやく見ることが出来た。教皇ユリウスⅡ世の墓所の一部として、1513年に造られたものらしい。神から授かった「十戒」が記された石板を持ったモーゼを真ん中に、上にユリウスⅡ世と聖母子像、そのそれぞれ左右に1体ずつ、計6体の彫像が彫られている。

教皇ユリウスⅡ世の墓所の一部として造られたらしい

ミケランジェロのモーゼ像

 

教会を出ると、多くの人が狭い路地を行き交っているので、カヴ―ル通りには戻らず、その人の流れのまま、教会の前のエウドッシアナ通りを道なりに右カーブしながら進んで行く。
すると突然、沢山の人が集まっているメトロの駅の入口に出る。
見ると正面にコロッセオ(Colosseo)だ。

コロッセオ

大きい。ローマに巨大な教会や建造物は多いが、これは桁違いに大きい。見るだけで圧倒される様だ。こんなもの紀元70年に良く作ったし、いままで2000年近くも良く残って来たものだ。
コロッセオの下の入場口には、また驚くほど沢山の人が入場するための列を作っている。この姿を見て、今日は中には入らずに帰ることにしよう。

入場を待つ人の列

目の前にあるメトロB線の「コロッセオ駅」(Colosseo)に入る。
此処で初めて「ローマパス」を使って入場する。切符biriettoの様に機械に差し込むのではなく、改札口の機械に日本のSuicaやPASUMOの様にタッチするだけだ。

ホームに入ると、薄暗い中に沢山の人がいる。その中に軍の兵隊が、迷彩の軍服にベレー帽、アサルトライフルをトリガーに指が掛かったまま前に抱えている。二名いて、ひとりは女性。抱えたライフルが余計大きく見える。

シラク―サからパレルモに行く途中に乗ったローマ行きのinterCITYの鉄道警察も、これ見よがしに大きな拳銃を腰に付けていたが、抑止的な効果を狙っているのかもしれない。鉄道警察官もひとりは女性だった。

2個目の駅テルミニで降りる。駅地下のスーパーマーケットで水やプラスティック製のスプーン、ビールを買って帰る。13.52€(約1,820円)。