歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

インド・パキスタンひとり旅(2000年) <3> まだ2日目 パキスタンへ向け一路フライト!の筈だが

<2日目ー2
2000年 3月10日 金曜日 ニューデリーNew Delhi 晴れ

<ニューデリー空港で、まさかの事態が>
13:30、午前中デリー市内の観光に連れて行って貰ったエージェントに、 Indira Gandhi international Airportへ車で送ってもらう。

昨日着いたばかりの空港から、また出国するとは複雑な気持ちだ。アンバサダーのリアシートに座り、家も畑もない荒涼たる周囲の景色を眺めながら思う。
空港へはフライトの3時間前からしか入れないので、空港ビルと反対側にある向かいのVisitor Roomに、Rs.15(約53円)を出して入って待つ。1997年の時は確かRs.10(約35円)だったが。此処も値上がりしているなァ。

Visitor Roomの入場料

15:00空港ターミナルビルに入り、セキュリティを通って、パキスタン航空(PIA:Pakistan International Airlines)のCounter行く。

18:30発「PK815」(New Delhi to Lahor)のticketを出してcheck in しようとすると、職員の女性は首を横に振って、「No.」と。「over booking」で駄目だと。
「えっ?!check in出来ない?」

思いも掛けないことに、一瞬、虚を突かれたように茫然としてしまった。
理由を聞くと、事も無げにReconfirmしていなかったからだと。
Reconfirmについては、帰国便に対して成田空港のカウンターでJALの職員に聞いたくらいで認識はあったが、まさか往路の飛行機にReconfirmが必要だったなんて考えもつかなかった。

多分、誰もが想像すらしないだろう。理不尽だ。しかし、憤りよりも余りの事態で、頭から血の気が引く様だ。
しかしこちらの困惑した顔を見ても、Counterの女性は全く意に介さず、当然と言う顔で他の客の対応を始めている。

Counterの前で立ち尽くしたまま、一瞬パキスタンには渡航出来ないのか?それとも、明日か明後日、陸路で国境を越える算段をすべきか?

今晩の宿はどうする?陸路で行くなら鉄道のチケットは何処で取るんだ?
1997年のインド旅行の際に、オリッサ州のPuriの駅の窓口で、こちらが言うチケットがことごとく無いと言われて、途方に暮れたことがまざまざと思い出された。
あれを考えたら、今日の明日で鉄道のチケットを取るなんて、とても無理だろう。
では、バスでも行かれるのか?でも長距離バスのチケットはまだ取ったことが無い。デリーでは何処で取るんだ?当日のチケットはあるのか?

それとも、此処で再度フライトの予約をした方が早い?どうせ空港にいるんだから。その前に今日のフライトのチケットの払戻しをするのか?
僅かな間にいろいろな思いが脳裏を掠める。もう喉がカラカラだ。

しかしダメ元でも良いからと、他の客の対応の合間を縫って、Counterの女性に、どうしたらboarding Passを発行してくれるのかと、「How can I get a boarding Pass?」とたどたどしく聞いてみる。
すると以外にも、17:00まで待てと言われる。
キャンセルが出るのを待てということか。

しかし、どうせ駄目なら早く今晩の宿を探して、明日からの予定を立て直さなければと思う一方、いや待てば案外乗れたりするかなとの気持ちが交互に沸いてくる。
見ると、同じカウンターにいたバックパッカーの様な欧米系の若い男女も、どうやら17:00を待っているらしい。

「Excuse me. You couldn’t check in too? Do you wait until 17:00?」あなた達もcheck inできなかったの?17:00まで待つのかと聞くと、仕方ないよねと肩をすくめ乍ら「そうだ」と。
仲間を得た様で、それならと一緒に2時間カウンターで待つことにした。

17:00、やっとcheck inできて、boarding Passを貰う。

ようやく貰えたPIAのボーディングパス

インドのニューデリーからパキスタンのラホールへ

ようやく乗り込んだ「PK815便」のシートNo.10Fは、座席の肘掛が壊れていた。
しかしこれでようやくパキスタンに入れると安堵の気持ちが湧いて、力が抜けて行く様だ。
予定の18:00を過ぎて、18:30離陸。闇の中、ニューデリー空港を出発した。
機内では、スチュワーデスが文字通り放り投げる様に置いていったサンドウィッチと、コーラが出た。気付けば、まだ夕飯を食べていなかった。