<2日目ー3>
2000年 3月10日 金曜日 ラホール(LAHOR・PAKISTAN )
ニューデリー空港では、PIAのover Bookingであわや搭乗できず?の事態だったが、なんとか無事搭乗出来た。
<夜のパキスタン・ラホール(LAHOR)空港に到着>
18:30、インドのニューデリー空港を飛び立ったPIAの「PK815便」は、19:10パキスタンのラホールLahore 空港 に到着した。インドとは時差が-30分あるので、実質70分のフライトだった。
初めての国で、しかも日本ではまだ情報の少ない、一部には危険とさえ思われているムスリムの国にいよいよ入国だ。
しかし緊張して臨んだImmigrationでは、機内で書いた「Embarkation/Disembarkation Card」とパスポートを出すだけで、Customでも、特段何も聞かれずあっけないほど簡単に通過できた。
空港内の両替所「K.M. Money Change」で、$50の米ドルの現金をパキスタン・ルピーに両替する。Rs.2,650だった。1$=Rs.53。
日本で米ドルに両替した時のドル/円レートは、1$=¥110.6円だったので、1Rs(パキスタン・ルピー)=¥2.1円位になるのかなァ。
同じルピーでも、インドとパキスタンでは大分レートが違う。以前の旅行ではドル/円レートが1$=¥130円位だったので、インドRsは概ね3.5円位で考えていたが。
今回は、ドル/円レートが円安に振れたときのことも考えて、パキスタンRsは、概ね2.5円位を目安にしておくことにしよう。
しかし空港内では、インドと違って何処にも日本人らしき人は見かけない。
制限エリアのターミナルビルから外に出ると、静かな雑踏という感じだ。人通りは多いが、インドの様にリキシャワーラーやタクシードライバーがわっと押し寄せてくることがない。
暗くなった空港前の広場を見渡すと、右手に「AIR PORT TAXI」とプリペイドタクシーの看板があった。
インドでは一度もプリペイドタクシーを使ったことが無かったが、他に手立も思い浮かばなかったので、カウンターに行ってホテルの名前を言い料金を聞くと、「Am`t Rs.300」と「Advance Rs.100」で合計Rs.400だった。
「Advance」ってなんだ?明細の内訳が何なのか分からないが、そのまま支払ったら、SUZUKIキャリーの軽バンに案内してくれた。これがタクシーの様だ。
インドではアンバサダーの他はマルチ・スズキの車ばかりだが、パキスタンでもスズキの車があるんだと妙に感心した。やはりとかく競合したり、時に敵対する両国と言われるが、やはり地続きで同じような社会文化圏なのかなぁ。
此処ではこの軽のバンを文字通り「SUZUKI」と呼んでいた。ベトナムでオートバイを「HONDA」と呼んでいたのと似ている。
<パキスタンでの初めての会話は?>
案内された「SUZUKI」の助手席に乗り込む。
ハンドルも右ハンドルで、道路も左側通行だ。
横で運転する、髭を生やし白いシャルワール・カミーズ(パキスタンの民族服)を着た年輩の男性が、この地に来て初めて身近に接するパキスタン人だ。
喋り方も温厚で、走り始めて「宗教は何か?」と聞かれた。英語だったが、「Religion」の単語だけ辛うじて聞き取れた。
初対面のタクシードライバーと乗客の会話としては、日本では有り得ないシチュエーションだが、「Buddhist」と答え、一瞬措いて「But I am also interested Muslim .」というと、走行中にも拘わらず両手でハンドルを叩いて喜んでいた。
パスポートに貼られた、シールのVISAに書かれたパキスタンの正式な国名は、「パキスタン・イスラム共和国(Islamic Republic of Pakistan)」で、イスラムがこの国の国教だ。だからなのか、初対面で「Religion」を聞かれたのは初めてだ。
暗い中、プリペイドタクシーでDavid RdのHotel Ambassadorに向かう。
途中道路脇の店舗に、「Pizza Hut」の看板を見かける。走っている車も、アンバサダーとマルチ・スズキばかりのインドより遥かに新しい外国の車種が多い。
国産品愛用運動「スワデーシー(Swadeshi)」のため、1991年まで長い間国内産業を保護する「輸入代替工業政策」が行われていたインドは、その故に独自に発達した「ユニークなもの」に囲まれた社会だが、こと「もの」に関しては、意外にもパキスタンはインドより世界の流行を取り入れているのかもしれない。
Hotel Ambassadorに投宿。ここは日本の旅行代理店で、1泊だけ予約していった宿だ。
Receptionで、「I made a reservation」と予約がある旨告げ、予約のvoucherとパスポートを出してチェックインする。
カウンターの上に大きな「Lodging Book」が広げられ、これに記載するよう言われる。
しかし記載事項の英単語が分からず、仕方なく先客が記載した内容から、多分ここはこうだろうと推察しながら書く。これがなかなか大変だ。スペルも大分間違えた。でも誰も分からないだろう(笑)。
通された客室は真っ白なシーツの掛かった大きなベッドが置かれ、超豪華。1泊でなくもっと泊まりたいくらいだ。