<8日目ー6>
2024年7月29日 月曜日 マラッカ 最高32℃ 最低25℃。
マラッカ2日目。朝から旧市街の中華街を歩いていたが、次第に体調が悪くなってきた。風邪薬を買いにショッピングモールを目指している。
<ふたたび風邪薬を探して>
じりじり照り付ける陽射しに、自分自身の発熱で大汗をかきながらJl Tun Khalil Yaakobの大通りを進んで来た。ようやく駐車場の先に白っぽい作りのショッピングモールが見えて来た。
15:15、「Dataran Pahlawan Melaka Megamall」に入る。エアコンが効いている!!それだけで嬉しい。
下の階、上の階と探し回るが、このモールにはファーマシーが無かった。通り掛かった警備員や店員に、「Maaf, De mana farmasi?すいませんが、薬局は何処にありますか?」と聞いてみるが、無いと。
仕方ない。今度はJl.Tun Khalil Yaakobの通りを渡って、駐車場の先に建っている赤い建物のもう一つのショッピングモールに入って行く。
入口には「Welcom to Mahkota Parade」と描かれていた。
ここでも広いが客の少ないフロアを捜し廻ったが、見つからない。本当にないのか?こんな大きなショッピングモールを2軒も探しても、薬局ひとつ無いのかと悄然として入口に戻りかけた時、横に入る通路の先に明るい店舗を見つけた。
15:45、遂にファーマシーを見つけた!!
明るい照明の下、店先には沢山の化粧品が並べられている。
あれっ?やっぱりここは化粧品店なのかなぁと気落ちしかかったとき、化粧品の棚の奥に、スペースは化粧品に比べ圧倒的に狭かったが、薬が並べられたコーナーを見つけた。
棚に並んだ薬をひとつひとつ見ていくが、マレー語ないしは英語の表示なので良く分からない。
もちろんその前に、眼鏡なしに文字が良く見えないのだが。
通り掛かった白衣を来た若い女性の店員を呼び止め、頭痛、喉の痛み、鼻水、発熱と、いちいち痛む部位を指で示しながら症状を伝え、これらに効く薬を聞く。
「Do you have any medicine for a cold, Headache, sore throat, running nose, fever?」
すると店員は暫らく考えていたが、青いパッケージで女性が鼻をかんでいる絵が描かれている「600Fluaway」と言う薬を勧めてくれた。
所謂、総合感冒薬らしい。早口で流暢な英語なので私には難しかったが、トラディショナルTraditionalな薬だと。
でも言外には、現代にはもっと副作用の少ない穏やかな効き目の薬もあるが、と、言っている様に聞こえた。日本の薬の様に、か?!
以前、2000年に行ったパキスタン旅行で風邪をひいたとき、現地の薬を服用したら、翌日には酷かった喉の痛みが跡形もなく消えていたことがあった。
私の脳裏には、現地の薬ならではのあの強烈な効果の思い出が残っていた。もっともその時、前日までなかった下痢の症状も現れていたのだが(笑)。
強い「効き目」には副作用もある。
しかし旅先では、ゆっくり治療する時間的な余裕がない。
そこで「トラディショナル」は歓迎だった。早速購入した。RM9.8(約333円)。
手にした薬のパッケージには、「Traditional used for relief of Full and Common Cold, Running Nose and Nasal Congestion.と書かれていた。
鼻水、鼻づまりは明記してあるが、一番肝心な「喉の痛みsore throat」が記載されていないのが、やや心細い。
今晩にも早く試したい。しかし、トラディショナルで薬効が強いとすると、胃を荒らしかねない。服用のまえには食事をしなければならないだろう。
<マラッカ河クルーズ>
16:12、ショッピングモールからの帰り、オランダ広場方面に向かうJl.Merdeka(独立通り)がマラッカ川にぶつかって北に大きく曲がると、川沿いの海洋博物館の先に、マラッカ川リバークルーズの案内看板があった。
一度は乗ってみたかったが、何もこんな具合の悪い時にとも思ったが、もしかして明日はベッドから起き上がれなくなるかもしれないと考えて、乗ってみることにした。
この看板に沿って川沿いに出ると、クルーズ船の発着場所「ジュディ埠頭 Jeti Quayside」がある。そこのチケット売り場で、現金で切符を買う。
「MELAKA RIVER CRUISE」RM30(約1,020円)。
チケット売り場の前のベンチで、多くの人と一緒に待って居ると、1艘のボートが戻って来て、それを合図に別のボートに案内される。
座席のベンチが並んだ小型のボートだが、運よく船べり側に席が取れた。
お客が乗り込むと直ぐに出発して、大きく回頭すると、舳先Bowを川上に向け、白波を立てながら進み始めた。
川面にはさっき戻って来たばかりのボートのたてた波紋がまだ残っていて、その上を越える時ぐっと船体が持ち上げられ、ドスンと大きな波しぶきを上げながら落ちる。飛沫が顔にかかりそうになる。
この川の水って綺麗なのかなァと思いながら、慌てて顔を背けた。
川の対岸には、五つ星ホテル「Casa del Rio MELAKA」のコロニアル風の瀟洒な建物が見える。まだ夜の気配はないが、建物には灯がともっている。
ボートは川上に向かって遡上する。
右手にオランダ広場を見ながら、ジョンカー・ストリートに続く橋「金聲橋 Jambatan Tan Kim Seng」を潜り、蛇行する川に沿って上っていく。
この橋は何度も渡っているが、実は戦時中、日本軍の爆撃機の落とした爆弾によって破壊されていたらしい。
但しマラッカでも重要な橋なので、1942年1月15日に日本軍がマラッカを占領したあと、直ぐに復旧された。しかし、旧橋は橋桁の下にアーチのあるアーチ橋だったが、架けなおされた今の橋は、余り趣のない平坦な桁橋だ。
ザ・ショア・ショッピングギャラリーやカンポンフル・モスクを過ぎると、右手に、私にはランドリーへのランドマークとなった聖フランシスコ・ザビエル教会が見えてくる。
さらに進んだボートは、市街地に残ったマレー人居住区カンポン・モルテンKampung Morten(モルテン村)の先でUターンする。
今度は川を下って、出発地のジュディ埠頭に戻ってきた。
17:40頃、昨日も行ったJln.Kampung Pantai(「海岸の村通り」の意味)の中華食堂「君子称」に入る。
また同じチキンのスープとライスを注文する。
同じものを食べているのに、昨日ほど食欲が湧かない。何かようやく食べている気がする。体調が更に悪くなった様だ。
Herbal Chicken Soup with Rice RM12 (約408円)とLipton Tea Bag RM3.5 (約170円)。これにService charge 10%が付いて、RM17.05(約579円)だった。
<トラディショナルな薬のキキメ>
ようやくホテルに戻って、シャワーを浴びて、歯を磨き、そして買ってきた薬を飲む。
まずは箱に書かれた注意書きをGoogle翻訳を使って再確認する。
すると、こんな大きなカプセルを3錠、しかも1日4回服用と書かれている。そんな大量に飲んで大丈夫か心配になる。
取り敢えず1回分3錠を飲んでみる。
ベッドにもぐりこむと、疲れと発熱で20:00前には眠り込んでしまった。
しかし、しばらくして薬の強烈な効き目が現れ始めた。
物凄い発熱感。体中が熱い。次いで頭が割れそうに痛む。投薬前は頭の前部が鈍く痛かったくらいだが、いまは二日酔いの様に頭全体がガンガン痛い。
汗がどくどくと出てくる。今度はまるで寝れない。
この発熱と強烈な頭痛で、喉が痛いのも忘れてしまう。
辛いのは、眠れないことだ。この痛みも寝て終えば忘れられるが、この薬には睡眠を促す成分は入っていないようだ。
30分ごとに、鼻をかみ、小便をし、水を飲んでベッドに戻る。初めは寒気がしてブランケットを掛けるが、次第に暑くなって腕や足を出したりするが、また寒くなるの繰り返しだ。
このホテルは、冷蔵庫の水が漏れだしているのか、壁際の床がびしょびしょに濡れている。
こんな状態をホテルの従業員は何で気付かないのだろうと訝しかったが、初めチェックインした時のエアコンの設定温度と同じ24℃位にしていると、水が蒸発するのか、床は一見乾いている様に見える。
しかし今晩は身体が寒いので、室温を28℃位まで上げると、床がじっとり湿って、ところどころに水が溜まっているのが分かる。