歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

マレーシアひとり旅(2024年) <22> まだまだ8日目 マラッカ海峡が見えた!! 

<8日目ー5
2024年7月29日 月曜日 マラッカ 最高32℃ 最低25℃。
マラッカ2日目。朝から旧市街の中華街を歩いていたが、次第に体調が悪くなってきた。風邪薬を買いにショッピングモールを目指している。

 

<マラッカ・タワーMalacca Tower>
海洋博物館の前を通って、左に丘を巻くように道なりに進んで行くと、左手にマラッカ・タワーが見えて来た。
マラッカの街中では、此処に来たら一度は見てみたいマラッカ海峡は見えない。このタワーに登れば、それが見える筈だ。だからマラッカにいる間に一度は登ってみたいとは思っていたが、その絶好の機会が、まさかこんな体調絶不調の時とは・・・。

でも此処で見過ごしては、この先此処まで足を運べるだろうか。今の私に寄り道している気力も体力もないはずだったが、どうせ具合が悪いなら、行き掛けの駄賃とばかり、マラッカ・タワーに登ることにした。

マラッカ・タワーが見えてきた。途中の丸い輪っかが展望台だ。

14:55、マラッカ・タワーMalacca Towerは、マレー語ではTaming Sari Towerと言うらしい。地上110mの柱の周りに円形の展望台ついて、それがゆっくり回転しながら地上80mまで上がって行く。

早速、マレー風の建物の中にある入口に向かう。
入場料はRM22(約748円)だ。
既に待っている見物客の列の後に続いて、展望台の中に入っていく。
円形の展望台は外に向かってぐるりと座席が設けられ、60名ほどの客が座って待つ。

マラッカ・タワーの塔

回転して上っていく展望台 客は外を向いて座っている。

直ぐにゆっくり登り始める。
すると周囲の、規則的に並んだ赤茶色の屋根を持つ沢山のマレー風の住宅が見える。その中を細い筋の様にマラッカ川が蛇行して流れている。
確かにマラッカの街並みが一望だ。あれがオランダ広場や、サンチャゴ砦などのある歴史地区。マラッカ川の河口から、遠くに霞んで海が見える。

上りながら展望台が回転すると、初めてマラッカ海峡が見えた!!
町の中では見えなかった、これがマレー半島とインドネシアのスマトラ島の間を隔てるマラッカ海峡かぁ。地図上の地形が、現実の姿となって浮かんでいる。感慨深い。
熱があるのも忘れて感動した。

遠くに何艘かの貨物船らしい姿が、浮かんでいる。
マラッカ海峡は、インド洋から太平洋に抜ける海上交通の要衝で、年間9万隻の船が往来する、世界でも最も船舶通行量の多い海域のひとつらしい。
日本で消費される石油の2/3は、中東からこのマラッカ海峡を通過して運ばれている。重要なシーレーンの一部だ。
幅250Kmの広いインド洋の北西側から、南東の太平洋に繋がる、幅僅か65Kmから70Kmほどの細長い海峡で、地理上はスンダ陸棚上にあるので、平均水深が約25mと浅い水道らしい。
海峡を通過する船の姿が見えないか目を凝らすが、座礁事故や海賊など危険から船舶を守るため、マラッカ海峡ではマレー半島沖合15Kmに国際航路を定めているらしい。
そこまでは見えないんだろうなぁ。

マラッカ川の河口、その先がマラッカ海峡だ

 

<スマトラ島への夢>
マラッカ川がオランダ広場を過ぎ、河口に達する手前で右岸に大きく膨らんだところがある。その内側は河川港の様に縦長の入り江になっていて、そのそばに丸屋根を持つ大きな建物が見える。

地図で見ると、此処はICQ Terminal feri antarabangsa(to Dumai)と書かれている、その隣はマラッカ国際桟橋Melaka International Jetty(Jeti Antarabangsa Melaka)だ。
ここがマラッカ海峡を挟んだ対岸のインドネシア・スマトラ島のドゥマイDumai行きのフェリー乗り場だ。

丸い屋根が、ドゥマイへのフェリー乗り場

実は、今回の短いマレーシア旅行で、一つだけやってみたいことがあった。それが此処マラッカからフェリーでドゥマイまで行ってみたかったことだ。
Indomal Express Fast Ferryの運行するフェリーは、マレー時間で10:00出発の1日1便。海峡間約60Kmの航路を、約2.5時間で対岸のドゥマイまで行くことが出来る。料金は片道RM135(約4,050円)。
航路はマラッカから海峡を横断して、スマトラ島横のルパット島Pulau Rupatを回り込むようにして、その島の裏側にあるドゥマイ港に着く。
するとそこは、インドネシアの、まだ足を踏み入れたことのないスマトラ島だ。行ってみたいなぁ。

マラッカの対岸はスマトラ島だ

しかしフェリーは、帰りのドゥマイ発マラッカ行き9:00発の1日1便しかない。
しかもマレーシア時間は、隣のインドネシア時間より1時間早いので、マラッカ発のフェリーとドゥマイ発のそれは、実質同じ時間に出発して、海峡のどこかですれ違うようになっている。
したがって、ドゥマイに行ったらその日はマラッカには帰れず、ドゥマイのどこかで泊まらなければならない。

私は8月1日の早朝には、KLIAを出発して帰国する日程だ。時間的余裕はまるでない。行くなら今日しかなかったのだ。
スマトラに行きたい、マラッカ海峡を渡ってみたい。
誰にも言わなかったが、ずっとそう思っていた。こんなに具合が悪くなるまでは。でも朝起きて、この体調では無理だと分かっていた。

頂上まで登った展望台は、またゆっくり回転しながら降りて来る。
その時、マラッカ川沿いのオランダ広場やサンチャゴ砦のある丘とは反対側に、大きな駐車場を持った2棟のショッピングモールの様な建物を見た。あそこには、目指す風邪薬があるはずだ。
このマラッカ・タワーから丘を巡ってあと半周位だ。ようやくマラッカの地理が見えて来た。

ショッピングモールの場所を確認したゾ!!