<新しい旅のはじめ>
<はじめに>
これは、2024年に行った旅の記録です。
この旅行は、前半は娘家族と一緒に行動し、後半からは別行動で私ひとりでの旅になりました。
思えば最後に出掛けたひとり旅は、コロナ禍前の2018年5月から6月にかけてのヨーロッパ(トルコからギリシア、イタリア)だったので、今回の旅は6年ぶり。
この間私も6歳年を取って、体力的にもきつくなってきましたが、それにも倍して、この6年の間に「旅」を取り巻く環境が大きく変わっていたことにはびっくりしました。
航空機やバス、その他の交通機関の利用の仕方、外国ばかりか日本の出入国の手続きまで激変。スマートフォンを使った手続きや、海外で活用するスマートフォンなどのSIMの種類も変化していました。
今回の旅では、特に一人になってからの旅では、この変化に戸惑い、狼狽え、でも何とか切り抜けることの連続で、これは失敗体験であると同時に、再び味わう旅のだいご味を思い出させた旅でもありました。
旅ではいろいろありますが、それでもやはり旅は良い。やっぱり、歳をとっても旅が好き、かな。
(注)文中の記載内容の事実誤認や誤謬は、全て筆者の勉強不足であり、他意はありません。
<1日目>
2024年7月22日 月曜日 成田空港 晴れ 最高36℃ 最低26℃。
<出発前は大慌て>
家で「MDAC」を記載。
これは「Malaysia Digital Arrival Card」のことで、従来はマレーシア入国の際、空港などのイミグレーションで提出していた入国カードを、デジタルで入国前に登録させようとするものらしい。
実際に入国日を含めて、3日前からしか登録できない。
しかも、2024年1月1日以降は入国に必須らしく、従来の様にマレーシアのイミグレーションで入国カードを書いての入国は出来ないらしいのだ。
まずiPhoneなどのWebウェブ上で「MDAC」専用サイトを開けて、「個人情報」を入力。
名前、 パスポート番号、国籍Nationality、男女の別、生年月日、パスポートの有効期限、e-mailアドレスを入力。e-mailアドレスは日本で使っているWebメールのアドレスを入れた。
「Country/Region code」は、日本の国番号で、海外から日本に国際電話を掛けるとき、電話番号の先頭の「0」の代わりに付ける番号を記入。日本は「+81」なのでそれを書いた。単に「Japan」でも良いみたいだ。
後は「Mobile No.」は、日本で使っている携帯の番号で、私は最初の「0」を省いて後の番号を書いた。これが正解なのかは分からなかったが。
次いで「Traveling Information」。
「Date of Arrival」はマレーシアに到着日、「Date of Departure」はマレーシアを出る日、「Mode of Travel」は入国手段なので飛行機なら「Air」を選択した。
「Last port of Embarkation」はマレーシア到着前の場所なので、私は「Tokyo」にした。
「Accommodation of Stay」は「ホテル」を選択して、その名前と住所を記載。これは今回使った予約サイトのagodaアゴダで事前に取ったホテルの、予約票に書かれている住所をそのまま記載した。
問題は「State」だ。これはマレーシアに13ある州のことだ。マレーシアはこの州で構成された連邦制国家なのだ。
例えば、クアラルンプールのホテルに泊まるなら、「State」は「WP KUALA RUNPUR」、「City」は「KUALA RUNPUR」で良い。ネットなどで「MDAC」の書き方を検索すると、たいがいみんな宿泊の記載例はクアラルンプールだ。
因みにこの「WP KUALA RUNPUR」とは、マレーシアの首都だが、どうも実際は「市」でも「州」でもない、マレーシア連邦政府が直接統治をしている「連邦直轄領」と言うらしい。
英語では「Federal Territories」、マレーシア語では「Wilayah Persekutuan 連邦の地域」という。だからクアラルンプールの前に「WP」が付くんだ。
しかし今回私たちが最初に泊まるのは、ジョホールバルJohor Bahruと言う町なので、その「State」をネットで探さなければならない。探したら、結局「State」は「Johor」だった(笑)。
「Bahru」はマレー語(インドネシア語でも)「新しい」の意味だから、「Johor Bahru」は単に「新しいジョホール」と言うことらしい。
そして最後は「Postcode」郵便番号。これは宿泊先ホテルのもので、予約票のホテル住所の真ん中辺りに書かれている5桁の番号だ。
入力し終わったら、「Submit」をタップ。すると、自分の登録したe-mailアドレスに確認メールが届く。
記載内容が間違っていたら訂正が出来ないので、再度作成すると前回の記載内容に上書きされるらしい。
確認メールには「PINコード」が書いてある。
この後は、登録完了メール(登録内容が記載されてるもの)か、または登録完了メールにあるPIN を使って出した登録内容(PDF)を印刷、もしくはスクリーンショットを取って、旅行に持っていけば良いらしい。
私はスクリーンショットと、PDFファイルを印刷して、両方持っていくことにした。
<その他の準備>
今回の旅行では、今日7月22日から27日までは娘やその家族と一緒に過ごし、28日から8月1日帰国までの間は、久しぶりに私ひとりの旅になる予定だ。
家族と一緒の旅程では娘がホテルの手配をしてくれたが、その後の、ひとり旅になる初めの7月28日から30日まで3泊のホテルと、帰国前日7月31日の1泊のホテルの予約は、自分で予約サイトの「agodaアゴダ」で取っていた。
ただし旅程の変更などもあり得るので予約だけにして、アゴダに登録してあるクレジットカードからの料金の引き落としは、キャンセル料が無料の期日までは保留のままにしてある。
航空券の予約は、いつも使っているHISの海外航空券のサイトで取った。
今回めったに使わない国内キャリアのANAを使ったのは、主に娘の都合に依ったが、それでも料金が往復¥84,250円と、意外なほど安かったためでもある。
その代わり、往路便は7月22日(月)NH885 羽田空港23:30⇒06:00+1クアラルンプールKuala Lumpurと良いのだが、帰国便が8月1日(水)NH816 クアラルンプール07:15⇒15:30成田空港と早朝発の便で、これが困った。
私は早起きが苦手だ。そのため、帰国前夜の7月31日の1泊のホテルを、空港内か空港に隣接したホテルを探すことにした。
理想的なのは、空港と隣接して徒歩で移動できる「Sama Sama Hotel」だったが、これは、私のような楽をしたい人の足元を見るような高額な料金だった。普通のホテルの倍はする。
これじゃとんでもないので、普通のホテルに泊まって早朝にタクシーで空港まで駆け付けようかなと思い始めたとき見つけたのが、「Capsule Transit Sleep Lounge KLIA T1」というトランジット・ホテルだった。
この施設(ホテル?)は、なんと空港ターミナル(T1)の中にある。これなら眠気眼でチェックイン・カウンターに駆けつけても間に合いそうだ。
実態はカプセルホテルみたいだ。主にLLCの使用する「KLIA T2」にも同じような施設があり、そちらには施設内にシャワーもトイレもあるが、「T1」のこのトランジット・ホテルはシャワーなし、トイレもなしだ。
これは私のように、間違ってキャリア航空会社は使うことになったが、金のない「T1」ターミナル利用者のために、間に合わせで付けた施設設定のような気がするなぁ。
でもさりとて、空港ロビー内での野宿も心配だ。初めての空港で、そもそも空港内が24時間オープンなのか、中の治安がどうなのかも分からない。
国内では、飲み会の後で泥酔して、何度か駅前のカプセルホテルに泊まったこともあるし、これでも良いかと安直に考えてサイトをみてみると、なんと普通のホテル並みの料金だ。ちょっと憮然とするが、早起き、早朝のタクシーを考えたら、最後の1泊くらい我慢することにしたのだ。
さらに、全日空ANAからiPhoneに送られてきたメールを使って、娘の言う通りに、往路のNH885便のアーリーチェックインをする。
でも初めてなので、アーリーチェックインすることで従来の窓口カウンターで行っていたチェックインと、空港での手続きがどう違うのか、まったく分からないのだが。
<羽田空港第三ターミナル>
17:00過ぎ、駅前から、娘と二人、空港連絡バスで羽田空港へ向かう。
国際線用の、羽田空港第三ターミナルに到着。
ターミナルビル内は、訪日している国人観光客でいっぱいだ。日本人より圧倒的に外国人の方が多い。
食事をしようにも、何処も列をなして待って居る人がいる。
19:40、飲食店フロアの一番奥に在った吉野家で、少し並んでようやく食事をする。
牛丼(524円)と豚汁(217円)。二人で1,480円を、スマートフォンのバーコード決済で支払い。
全日空ANAのカウンターでは、既に家にいる間にアーリーチェックイン済みなので、荷物の預入れのみだ。
バッゲージドロップの専用カウンターで、機械にパスポートを読ませると、バッゲージに着けるタグが出てくる。それを自分でトランクに付けて、コンベヤーに載せる。
これは重量計にもなっていて、私のトランクは10Kg以下だが、心配していた娘のトランクの重さは、ANAのエコノミークラスの預入れ荷物の制限23Kgぴったりだ。すごいネ!!って、ふたりで大笑いする。
イミグレーションでの出国手続きは、事前に息子が日本の入国手続き(入国審査、関税申告)を行うウェブサービスの「Visit Japan Web」に登録して置いてくれたので、パスポートを機械にかざして指紋登録するだけだった。
ゲートを通り抜けてから、あれっ?!パスポートへの出国スタンプは無いの?とがっかりした。すると少し先で、スタンプが欲しい人だけ申し出ると押してくれるブースがあったので、行って押して貰う。
23:30発ANA NH885便は、羽田空港を出発。
機体はボーイング787。横に2通路を挟んで3,3,3の座席配列で、私は後方の座席38H。娘は通路を挟んで反対側の38Gだ。
ウェストポーチからiPhoneを取り出して、「機内モード」に設定する。
機内が暗くなると、疲れていたのか、あっという間に寝てしまった。