歳をとっても旅が好き

海外ひとり旅の記録?いや記憶かな

トルコからギリシア、イタリアへひとり旅(2018年) <6> まだ3日目 イスタンブール・ガラタ塔、ボスボラス海峡と鯖サンド

<3日目ー2>

2018年 5月16日 水曜日  イスタンブール 晴れ 爽やか。朝方は21度、でも日中は27度。

 

<ガラタ塔に行こう!>

オトガルでようやくバスの切符が買えた。

再びメトロに乗り、乗り継ぎでアクサライ駅に降りる。
行きと違う出口に出たため景色が違って戸惑ったが、多分トラムの停留所はこっちだろうと歩き出す。

アクサライ駅前は広場になって居て、花壇に赤やピンクの沢山の薔薇が咲いている。日本なら「バラ園」などと人だかりがしそうだが、側を通る誰一人振り向きもしないのにこんなに沢山の綺麗な薔薇が無造作に咲いている。凄いなぁと見とれてしまう。
果物屋の前を通っても、林檎や無花果、オレンジ、色とりどりの果実が山の様に並んでいる。トルコは本当に花や農産物の豊かな国だ。

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アクサライ駅前のバラ


しかし、道に迷ってなかなか肝心のトラムの駅に着かない。少し疲れたので早めの昼食をとって休憩しようかと思ったら、店頭のガラスケースにピザの並んだ店があった。
中に入り、大きなクオーターカットのピザとチャイのラージを頼む。20TL。
チーズが普通よりもっちりしていて、トッピングもオリーブやナッツが入っている。美味しい。

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トルコ風のピザ もっちりしたチーズで美味しい

 

ようやくトラムの停留所を見つけて、トラムに乗る。

朝乗り込んだスルタンアフメド駅を通り過ぎ、途中ハリチュ/金角湾(Halic / Altin Boynuz/Golden Horn)に架かるガラタ橋(Galata Koprusu)を渡って、終点の新市街のカバタシュ(Kabatas)まで行く。
ここからケーブルカーのフニキュレル(Funikuler)「F1」に乗る。

改札前の切符の自動販売機でイスタンブール・カルトに20TLチャージ。
カードをチャージ機に当てると、現在の残金の表示が出る。チャージするお金を入れると、そのままチャージ出来る。

 

新市街の中心タクシム(Taksim)に着く。
一旦地上に出てiPhoneを取り出し、Google Mapでガラタ塔(Galata Kulesi)迄の道を検索する。

どうもメトロ駅の方が近いらしい。
今度はメトロの「М2」線で、タクシムからシシハーネス(Sishone)駅まで乗る。駅を降りて再度Google Map を見ながら歩き出すが、散々迷い、ようやくガラタ塔に着いた。

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ガラタ塔

 

入場料(エレベーター料?)25TL。14世紀頃ジェノバ人が今の型にしたと言われるガラタ塔は、スルタンアフメド地区から金角湾越しに見える最もイスタンブールらしい風景だ。
エレベーターで上に上がる。上階はレストランになっているが、その周囲がぐるりとテラスになっていて眺めが良い。心地よい風に吹かれながら、眼下にボスポラス海峡や金角湾、そこに架かるガラタ橋、トプカピ宮殿(Topkapi Sarayi)やブルーモスク、巨大なドームのアヤソフィアなどが一望できる。

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ガラタ橋の架かる金角湾越しに、ブルーモスク、アヤソフィア、トプカピ宮殿が望める

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ガラタ橋の袂のロカンタ

 

塔を降りると、ガラタ橋のたもとのロカンタでレモネードを飲む。5TL。
先程カバタシュへトラムで渡ったガラタ橋を、今度は徒歩で渡る。
私が思い描いていた物売りや物乞いのたむろする猥雑な橋の風景は無く、欄干に釣り糸を垂れている人が並んだ普通のコンクリートの橋だ。二階建てで、下はレストランが並んでいる。
橋を渡りながら、ボスポラス海峡クルーズに行こうと思い立った。

 

<憧れだったボスボラス海峡!と鯖サンド>

エミノニュ(Eminonu)側でガラタ橋の下を潜り、TURYOL桟橋に出る。ちょうど14:00発のショートクルーズ船が出るところだった。15TLの切符を買って、慌てて乗り込む。他の船会社もボスポラス・クルーズをやっているが、手ごろなショートクルーズは「TURYOL」だけだったのと、出航時間にちょうど間に合ったのでこれにした。

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ボスボラス海峡クルーズ船のデッキ

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金角湾越しに、さっき上ったガラタ塔が見える。

 

ガラタ橋の下をギリギリ通り抜けた船は、金角湾からボスポラス海峡に出て行く。
やや緑がかった青い海。青い空の下にはスルタンアフメド地区のトプカピ宮殿、沢山のミナレットが立つブルーモスク、巨大なアヤソフィアの姿が望める。
いっぱいの乗客に交じってデッキに座ると、海風が心地良い。この海峡クルーズがイスタンブールで一番旅情を誘う。


船は黒海方面に北上する。左手にオスマン朝の宮殿だが、トルコ建国の父と呼ばれるトルコ共和国初代大統領ケマル・アタチュルクの執務室や、彼が亡くなった部屋のあるドルマバフチェ宮殿(Dolmabahce Sarayi)。右手はウシュクダル(Uskudar)などのアジア側の街並みを見ながらボスポラス大橋を潜り、メフメットⅡ世が1452年コンスタンチノープル(今のイスタンブール)攻略のため建てたと言われるルメリ・ヒサール(Rumeli Hisari)城塞を過ぎ、その先にある日本のIHIなどが作った第2ボスポラス大橋の手前でUターンする。

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ボスボラス大橋

もう少し先には憧れの黒海(Black Sea)があるのにと、残念な気がする。

昔アジア大陸横断を夢見て、インドからパキスタン、イランを通ってトルコに入ったら、ゴールのイスタンブールにはアナトリア半島の黒海沿いの街トラブゾン(Trabzon)かサムスン(Samsun)からフェリーに乗って、ボスボラス海峡を通って凱旋将軍の様にエミノニュ桟橋に着くことを想像していたのだ。
少し傾いた陽を受け、今度は海面が陽光を浴びてキラキラ光る。カモメが水面に浮かび、小さな黒い鳥の群れが海面すれすれを飛んで行く。
2時間近く海風を受けて、歩き廻った疲れが出て来た。

 

エミノニュ桟橋では、接岸したボートの上で焼いた鯖をバゲットに挟んだ「鯖サンド」が有名だ。店が三軒あって、店員は皆赤い儀礼服の様な格好で、船員の様な帽子を被ったものもいる。

多くの人が買っている中、私も買って、岸壁に並べられた日除けテントの下で、柵で区切られたテーブルの端の席に座って食べる。鯖サンドは10TL、レモネードは2.5TL。

鯖サンドはかなり大きい。中に半身の鯖と野菜が入っていて、レモン汁をかけて食べる。

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鯖サンド。意外に大きい。



かぶりつくと、まだバゲットなのにあの焼き鯖の味と匂いがする。美味しい。

しかし大きいので、3分の1位残して、お腹がいっぱいになって来た。

その時、座ったテーブルの直ぐ横の柵越しに少年が顔を出して、残ったその鯖サンドをくれという仕草をする。お金ではなくこの食べかけの鯖サンドかとびっくりする。私は鯖サンドの大きさを持て余していたので、そのままあげても良かったのだが、お金ではなく、食べかけのパンをあげることが何か犬や猫にする様な後ろめたさを感じて、混乱してしまった。

咄嗟に「No」と言うと、残念そうに手を引っ込めた。

お腹はいっぱいだったが、無理やり残ったパンをレモネードで流し込んだ。

エミノニュからトラムに乗り、スルタンアフメド駅に戻って来た。
帰りに水と食べ物を少し買い、朝頼んだランドリーを受け取ってホテルに戻った。